マイキーってば、昔からケンちゃんにお世話してもらって羨ましい。
私だってケンちゃんにおんぶされたり、髪の毛結ってもらいたい!!
マイキーがお子様ランチを食べたいと言うので、3人でファミレスへやってきていた。
いっつもいっつもマイキーは、お腹いっぱいになると寝ちゃうから、ケンちゃんがおぶって帰っている。
そんな2人を横で眺めながら帰るのが、私の定番になっているのだが…
ケンちゃんに恋して数年。
マイキーにケンちゃん取られてばっかりで、私何も進歩してない!!
目の前で、夫婦漫才みたいなやり取り行われてるけど、私はめげない。
ある意味、マイキーは恋敵だから。
ケンちゃんはマイキーだけのモノじゃないもん。
マイキー熟睡。
あぁ、これはまたケンちゃんとられちゃった。
仕方がないのでお会計を済ませ、ケンちゃんはマイキーをおんぶする。
2人でトボトボ歩いていると、ケンちゃんが口を開く。
チラリとこちらを見る。
問題、大アリですよ、はい。
だって恋敵ですよ。
でもそんなことケンちゃんに直接言えないから黙ってしまう。
ホラ、ケンちゃんってば、優しいんだから。
無理に私の口から聞こうとはしないけど、ちゃんと解決しようとしてくれる。
…言って、みようかな。
私のこの想いを。
グダグダ先伸ばしにしても、きっと今までと変わらないままだ。
そんなのは嫌だ。
マイキーが寝ているのを確認して、私は決心した。
言葉にしたら、一気に顔が燃え上がるような感覚に陥る。
絶対今顔真っ赤じゃん、私。
ヤバい、めっちゃ恥ずかしい。
でも言った!言ったぞ私!偉い!
ケンちゃんの方をチラリと見ると、驚いた表情をしていた。
なんだかケンちゃんの顔見たら、余計に恥ずかしいな…逃げたくなっちゃう。
予想の斜め上の回答が返ってきて、間抜けな声が出る。
さっきまでの顔の火照りが消えた。
自分で言ってて悲しくなってきた。
マイキーに、しかも男の子に嫉妬とか。
めんどくさいって思われてそう…
さっきまでの恥ずかしさとは、また違った恥ずかしさが襲ってくる。
まさか狸寝入りしてたの?!
私ちゃんとマイキー寝てるの確認したんだけど…
聞かれてしまった。
でも、心配して損したってケンちゃん言った?
あれ?
ため息混じりに言う。
よっと言って、マイキーはケンちゃんの背中から降りる。
私とケンちゃんを交互に見て、ケンちゃんに指をさす。
またね♡
そう言い残して去っていった。
2人きりになり、しばし沈黙が続く。
緊張してしまって、声が裏返る。
それを聞いたケンちゃんは腹を抱えて笑う。
でもすぐに真面目な顔付きに変わる。
夢みたいだ。
嬉しくて涙が溢れる。
泣くなよってケンちゃんが涙を拭ってくれるけど、やっと実った恋。
信じられなくて止まらない。
ケンちゃんと手を繋いで帰る。
いつも歩いている道が、こんなにも綺麗だっただろうか。
これからも幸せな日々が続きますようにと心から願ったのだった。
後書き。
まろんです🌰
久々のケンチンです✨
2人から、嫉妬の眼差し受けてるマイキーを想像したら可愛すぎました。笑
前回の内容から甘めにしたので、温度差で風邪ひかないようにしてくださいね!😂
ではでは🙌
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。