今日は千冬とのデート。
お昼から待ち合わせ。
時間が合えば基本会ってるけど、デートとなればまた違う楽しみがある。
いつも通りに早起きし、支度をする。
メイクをして、髪を巻く。
可愛いって思ってくれるように丁寧に。
彼の顔が思い浮かび、心が高鳴る。
待ち合わせの時間に近付いてきたので、最終チェックをして家を出る。
オシャレな彼に見合うように、いっぱいいっぱいメイクやコーデの勉強した。
そんな時間もかけがえのないもので、千冬に褒めてもらえるなら頑張れた。
待ち合わせ場所は千冬がよく行く公園。
休日なので、家族連れが多い。
その中でも、一際目立つのが私の大好きな人。
彼を見つけて、自然と歩くスピードが早くなる。
自分に向かってくる人影が見えたからか、千冬が顔を上げる。
私の姿を確認すると、柔らかい表情を浮かべた。
千冬、今日もかっこいい。
服装もオシャレだなぁなんて見蕩れていると、千冬が口元に手を当てる。
そんな笑顔で言われたら、嬉しいような恥ずかしいようなで赤面してしまう。
とびきりの笑顔でそう答える。
照れくさいのか、千冬は頭をかきながらそっぽを向く。
かっこいいけど可愛い、
そんなところも大好きだ。
流れるように手を繋いで、よく行くファミレスへと向かった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!