第7話

場地圭介
12,093
2021/07/30 13:44
もぶ 1
ねーねーお姉さん〜
可愛いね〜
オレらと遊ばな〜い??
駅前。ある人と待ち合わせ。
人通りの多いこの場所で、見知らぬ男2人に声を掛けられる。

誰だ、この人達。
こういうのは無視が一番だ。
もぶ 1
あれ〜無視〜??
酷いな〜お兄さん傷ついちゃうな〜
あなた
…!!
そう言いながら私の肩に手を回してくる。
そして気持ち悪い顔が、ずいっと寄ってきた。

嫌悪感しかない。
早く離れて欲しい。

私は軽く操作をした後、携帯を閉まった。
あなた
あの…人と待ち合わせしているので…
ごめんなさいと告げると、男達は一瞬顔を見合わせたが、すぐに不敵な笑みを浮かべ続けた。
もぶ 2
いや、絶対オレらと遊んだ方が楽しいって!!
ねね、早く行こうぜ〜
更に腰を掴まれ、強制的に歩かされる。

めんどくさい事になった。

私の怒りのゲージがぐんぐんと貯まる。
ちょっと発散しないと気が済まなくなったので、ある作戦を実行することにした。
あなた
わかりました…あの、ちょっとそこの道入ってもらってもいいですか…?
もぶ 1
人気のない道に自分から行くなんて
積極的だね〜!
もぶ 2
絶対楽しませるから、さ…
言葉を言い終える前に一発。
みぞおちを狙う。

綺麗に入った。

ドサッと私の横に崩れるように倒れる。
もぶ 1
え…??
肩を組んでいた男が、驚いて私から少し距離を置く。
状況が掴めていないようで、口をパクパクさせている。

餌欲しがってる鯉みたい。

私は倒れた男の背中に座って、放心状態になっている男を見上げる。
あなた
私今とっても機嫌がよろしくないんですよ。
せっかく、大好きで大好きで仕方ない場地さんとデートの約束して、朝早く起きて自分磨きして、いざ待ち合わせ場所に着いたら気持ち悪い人に声掛けられるし…
あなた
どう責任取ってくれるんですかね…?
ニコッと笑顔を浮かべて立ち上がる。
男は小さく悲鳴を上げ、後ずさりをするが、すぐ壁に背が付いてしまう。
場地圭介
オイ…何やってんだぁ?
あなた
場地さん…!!
声がする方を見ると、駅の方から大好きな場地さんが歩いてくる。
私はギリギリ止められなかった右手を壁から退かす。
少し外壁が破損してしまったが、しょうがない。
それを見た男が更に顔を青くして、へっぴり腰になりながら駅とは反対方向に走っていった。
場地圭介
またやったのか
場地さんは私の足元で横になっている男を見る。
知り合い、じゃあねぇよなとボソッと呟く。
私も特に返事はしなかった。

そんな私を見かねてか、手を握り歩き出す。
突然の事で反応が出来なかったが、さっき男が逃げた方向から人が歩いてくる影が見えた。
あなた
場地さん…ごめんなさい
やっちゃった…
場地圭介
あ?いーんだよ
自己ぼーえーってやつだろ?
そう言って私の頭をポンポンと優しく叩く。
そのおかげで、さっきまでの苛立ちが泡のように消えていく。
場地さんパワー恐るべし。
場地圭介
なーに顔赤くしてんだ
…ホラ、行くぞ
あなた
…うん!!
場地さんの笑った顔が好きだ。
いつまでも場地さんに守られてばっかりじゃダメだと思って、それなりに喧嘩もしてきて強くなった。
もし場地さんが困っていたら、私はどんな時でも助けに行く。

改めて私は、この笑顔を守りたいとそう心に強く誓ったのだった。











後書き。

場地さんの八重歯が見える笑顔が大好きです。

5〜8巻見返す度に号泣してます。


幸せになってもらいたいのです…



更新遅くなったうえに、長文ですみません!
ここまで読んで頂きありがとうございます🙇‍♀️💗
次回は三ツ谷を予定しております!

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