第4話

松野千冬 (続き)
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2021/07/30 13:42
松野千冬
あなたさん…逃げないで
あなた
千冬…
女の私では、千冬の男らしい腕から逃げられるはずもなく、大人しくその腕に抱かれる。
でも、私の心臓は大人しくいてはくれず、高鳴る一方だ。
松野千冬
俺、絶対あなたさん幸せにするんで、
どこにも行かないでください…
松野千冬
年下の俺じゃ頼りないかもしれないですけど、でも俺、あなたさん一生守りますから
そう言ってまた少し強く抱き締められる。
僅かに、震えているように感じた。
あなた
千冬、私はどこへも行かないよ
あなた
…だって、千冬が大好きだもの
私は腰に回ってる千冬の腕にそっと手を置く。
もう片方の手は千冬の頭を撫でる。
ゆっくりと抱きしめていた力が弱くなり、私は千冬の方を向く。

そして正面から抱き締める。
あなた
ねぇ…今のセリフ、
プロポーズみたいだね…?
松野千冬
あ…
あなた
ふふっ
あなた
私、千冬となら結婚したいなぁ
ちょっと冗談っぽく言ってしまったが、本心だ。
好きで好きでしょうがない。
こんなにも人を好きになったことがないし、漫画やドラマを見ても、きっと自分には縁のない世界だと思ってた。
でもこの人となら、千冬となら一緒に歩いて行けると思ったんだ。
だから、千冬がどこへも行かないで、そう私に思ってくれたのが嬉しい。
松野千冬
…結婚しましょう
あなた
え…?
あなた
ほんとに?
…私でいいの?
松野千冬
はい、俺は、あなたさんしかいません。
私が驚いて、千冬の顔を見上げると、真っ直ぐ私の目を見つめて答えた。
すると目頭が熱くなるのがわかった。
松野千冬
…なんで泣くんスか
あなた
うれしくて、…えへへ
松野千冬
…そりゃ、俺も嬉しいスけど…
泣いても可愛いなぁ、と小さく零して流れた涙を指で拭ってくれる。
私は途端に恥ずかしくなって、千冬の胸元に顔を埋める。

千冬の匂いだ。
とっても安心する。

すると両手で顔を持ち上げられ、必然的に視線が合う。


そのまま距離が近付き、


唇がそっと触れた。
あなた
…ち、ふゆ
松野千冬
…可愛すぎます
あなたさんは
松野千冬
もう絶対、
離しませんからね
そしてもう一度、唇が触れる。
一回目より、少し長く。



ああ、こんな時間が永遠に続きますように。



そんなことを思いながら、千冬との甘い時間を1秒1秒大切に過ごしたのだった。



















後書き。
更新遅くなりました、まろんです。

漫画を買って読んでから、千冬の好感度爆上がりです、いい子過ぎないか。

短編集と言いながら、長くなりました。
甘いお話も好きなのですが、少し切ない甘いお話も好きなので挑戦してみました、どうでしょう。

妄想を文章にしていると、こうしたらいいかなぁとか、ああしてもいいなぁと迷走してしまいます(笑)
結末が最初と大きく変わったのは内緒です←

ここまで読んで頂きありがとうございます!

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