第8話

あの娘も好きなの?
819
2020/11/10 06:19

―――先の任務であなたが負傷(鬼の爪に腕の皮膚を引っ掛かれた)し、他の皆もかすり傷程度だが傷だらけな為、蝶屋敷を訪れていた。

時代村にでもありそうな、大正ならではの佇まいに、治療中とも構わずあなたはキョロキョロ見回してしまう。
あなた
(こないだ見学に行った『旧〇〇邸』…みたいι)
胡蝶しのぶ
…珍しいものが沢山ありますでしょ?
あなた
Σあっ…すみませんι他所様のお宅を見回して…ι
あなた
はい。どれも見たことないものばかりで…ι
胡蝶しのぶ
私には、あなたの服装が珍しいですね。
あなた
あっ!!その……私っ…ι
胡蝶しのぶ
ふふっ、慌てなくても大丈夫ですよ?全て御館様から聞いていますから。
あなた
……何か、すみませんι皆さんの所にいきなり紛れ込んでしまって…ι
胡蝶しのぶ
困ったときはお互い様です。
胡蝶しのぶ
戦いで負傷した皆さんのお世話をするのは、蝶屋敷の仕事なように…。
胡蝶しのぶ
誰も、貴女を責めたりはしませんよ?
あなた
そう…でしょうか…ι
胡蝶しのぶ
そうですよ。こんな可愛らしいお嬢さんに、やましい事なんてできませんからね。
あなた
それは、そうですけど…ι
あなた
すみません…ι帰り方がわかり次第、速やかに退散しますので…ι
胡蝶しのぶ
そんな釣れないことを言わず、その間だけでも仲良くしましょう?
あなた
あ、ありがとうございます…っ。

あなたはしのぶの暖かさに触れ、心が解れていくのがわかった。


―――治療も終わり、あなたは皆の所に向かおうとしていた。そのとき縁側に女の子が座っているのが目につき、思わず話しかける。
あなた
――今日は、いい天気ですね?

その娘はあなたに話しかけられ振り向き、にっこりと頬笑む
栗花落カナヲ
………。
あなた
(可愛い…//私の時代にいたら、間違いなくモテる娘だ…)


―――ピンッ…

その娘は、手に持っていたコインを真上に投げ、受け止める。
あなた
(上手い…。私、絶対にできないι)
栗花落カナヲ
(……裏)
栗花落カナヲ
さようなら。
あなた
(…ズルッ)な、何でι?今会ったばっかりでしょ?
栗花落カナヲ
指示されてないことは、これを投げて決める。今貴女と話すか話さないか決めた。
"話す"が表"話さない"が裏
栗花落カナヲ
だから…さようなら。
あなた
……つまり、コインが"裏"だったのねι
あなた
あなたの気持ちはどうなのよ…?私なんかとは喋りたくないかもしれないけど…
あなた
私は喋りたいよ!あなたとても可愛いし、お友達になりたい!
コインなんかで決めないで、自分のやりたいことはやりたいって、好きなものは好きって言わなきゃ…!
あなた
……でなきゃ、楽しくなんてないわよ…。


あなたは自分の意見を撒き散らしたが、勝手な言い分だ…と、その場を去ろうとする。
あなた
ごめん。あなたの事情も知らず、色々言って…。さよなら。
栗花落カナヲ
――…ι!ま……待って…
あなた
Σ……?
栗花落カナヲ
私が……変わらないと…いけないの…ι
栗花落カナヲ
酷いこと、言って…ごめんなさい…ι
あなた
うっ…ううん!私の方こそ…本当に事情も知らないで無神経だった!

あなたはカナヲの言葉に駆け寄り、隣に腰かける。
あなた
私、令和の時代から来た竈門あなた。
栗花落カナヲ
…!竈門…?炭治郎の兄弟…?
あなた
ううん。名字が一緒なだけ。(ご先祖なんて言ったら、混乱するわよねι)
栗花落カナヲ
私、栗花落カナヲ…。
あなた
カナヲちゃん!よろしくね♪
栗花落カナヲ
うん……//あなた…ちゃん
あなた
(……あれ?何かこの感じ…)

……もしかして、曾祖母?と思ったとき、
竈門炭治郎
あ!二人とも、こんなところに居たのか。
栗花落カナヲ
炭治郎…//。久し振り…
竈門炭治郎
カナヲ!元気にしてたか?
栗花落カナヲ
うん……//
あなた
(知り合い?しかもカナヲちゃん…嬉しそうで顔がほんのり赤い)
―――――ズキッ
あなた
(え、"ズキッ"?)
竈門炭治郎
悪い、二人で話し込んでしまってι
あなた
ううん、大丈夫…ι二人は知り合い?
竈門炭治郎
あ、同期なんだ。
あなた
同期…?
竈門炭治郎
鬼殺隊になるときに最終選別っていうのがあって、カナヲや伊之助、善逸達と一緒に受けたんだ。
あなた
あ、なるほど!
竈門炭治郎
で、二人は仲良くなったのか?
あなた
お、お友達に…なったんだよね?ι
栗花落カナヲ
うん、友達…//
あなた
(ぱあっ)嬉しいっ、ありがとう♪
あなたは嬉しさのあまり、カナヲに抱きついた
栗花落カナヲ
わっ…ιあなたちゃん…//
竈門炭治郎
ははっ、良かったな、二人とも!
竈門炭治郎
あなた、傷は大丈夫なのか?
あなた
…あ!さっきしのぶさん?に治療して貰って、包帯巻いてもらった。
あなた
このくらい、大したことないよ?
竈門炭治郎
すまん、俺が着いていながらあなたに傷を負わせてしまって…ι
あなた
ううん、チョロチョロしてた私が悪いのι
竈門炭治郎
いや、しかし…帰る方法が見つかるまでは、俺の責任だ。
あなた
そんな、気に負わないで…ι
あなた
私も、もっと気を付けるからι
ね、ね…?と、あなたは炭治郎を宥める。


それを傍らで見るカナヲは、どこか寂しそうな表情をしていた。


それをあなたは横目で見た。
あなた
(……やっぱり…ι)


早速できた友達と気になる人が重なり、あなたは複雑な思いになっていた。



―――to be continued.

―――――――――――――――――――――

あら…ι甘くも何ともなかったι

でも、カナヲちゃんとのエピソードを書きたかったので許してください(T_T)

10話と11話の間に炭治郎との甘い話を1つ入れるかも。
今回、思ったよりくつかなかったので←

気を抜いたら寝そう………ι

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