お互い落ち着いたところで順番に
お風呂入ることになった。
そう言って私がお風呂場に行く前に
置いてくれる。
この、ちょっとした優しさもまた嬉しいもので。
めちゃめちゃ顔を真っ赤にして
一息つく重岡くん。
そして先にお風呂入らせてもらうことにした。
ーーー
私にとって良い湯加減で、
足も伸ばしやすいぴったりな浴槽。
あんな言い方してしまったことに
罪悪感を感じる。
そんなことを言いながらお湯をぶくぶくさせた。
ーーー
重岡side
家に招待してしまった。
確かに親いないし、姉結婚するけど…
ほんま、あなたいい子でよかったわぁ、
最近ストーカー気質になってるけど
止められない、
恋って怖いなぁ…。
ーーー
望side
あやと付き合ってる。
多分俺はそんなに好きじゃない。
そんな時にあなたと、重岡とか言う奴に
会った。
付き合ってるつもり、ってことは
まだ!あなたは好きやないんやな。
なんて、変な感情を抱く。
でも、お兄ちゃんは関係ないでしょ、と
言われた時に心の何かが崩れてしまった。
なんでこんなん言われたくらいで
すごい傷ついてるんやろ。
ーーー
お風呂から出て重岡くんのシャツを羽織る。
そこから返事はない、キャロキョロと
周りを見渡すが誰もいない。
するとベッドの上にある掛け布団が
少し膨らんでいることに気づいた。
確認するためにちょっと近づき
顔を覗く。
急に腕を引っ張られてベッドの中に
連れ込まれる。
気づいた時には重岡くんの
舌が私の口の中に侵入していた。
そう言って重岡くんは元の体制に戻り
寝てしまった。
私は訳が分からなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!