あまりにも急な話だった。
『ここが、今日から住む家だよ』
俺がまだ3歳の頃
俺はその時は何故ここに連れてこられたのか
わかっていなかった。
〈お父さんだよ〜〉
この頃は本当のお父さんだと
ずっと思ってた。
気がつけば望って呼んでるし、
本当の子供のように愛してくれてた。
〈そして、望の妹のあなただよ〉
まだ何知らなかった時の方が良かったのかも
しれない、
ー
高校生になってあなたがいない時に
『…望、』
『あんたとあなたは本当の兄妹じゃないの』
俺の中で何かが崩れる音がした。
そのひはあなたの顔を見ることすら
辛かった
でも、あなたは
なんて話しかけてくるから
言えなくて、
ただただ
としか返すことが出来なかった。
ー
そして、流星の家で
って言った流星
俺は兄妹じゃないという
事実を隠したいがために
逆に裏を着いてしまった。
そしてあなたの顔色が変わってしまった。
流星の家から走って帰ってしまった。
ー
これを機会に話そう。
そう心に決めたんだ。
でも、それを聞いたあなたは
泣いてしまった。
胸が、苦しくなった。
今すぐ抱きしめてあげたかった。
でも、そんな権利は俺にはない。
だって俺達は“兄妹”だから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。