第27話

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2021/03/08 03:00
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「、、、好きなんでしょ?」









顔をあげると、天と目が合う。








「っ、」









天は少しまゆをさげて上目遣いをした。









自分の気持ちにはもう気づいてた。






天のことが好き。







だけど、いつもバカにしてくるこいつのことを好きになるなんて、負けたようで、悔しくて、認めたくなかった。









けど、天が告白してきて、こんなことになって









でも、もう隠しきれないな。









「す、」








「、、、す?」









「すっ、、、」









「す?」









「、、、っ酢がきれてた!うん!酢!!」









しん、と冷めきったように静かになった。









私何やってるの、これよくあるよね、うん。









天は深いため息をついて、









「、、、なんなの、ボクは酢に負けてるの。」









と不機嫌そうに言った。





「ち、違う!!好きって言おうとして酢、って言っちゃったの!!」









でかい声で叫ぶように否定すると、天の唇がにやっ、と笑うようにあがった。









「好き、って言ったよね。」









「え、あ」









「ふふ、顔真っ赤。かーわい。」









天は私の唇を親指でなぞると









優しく、宝物を触るように唇を重ねた。




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