第28話

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2021/03/08 11:07
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その後、天はさりげなくうちで泊まり、そそくさと帰っていった。




騒動がおさまってきたところで、私達はまともに仕事を再開することができた。






ただ、TRIGGERさんと一緒の仕事は減っていた。








折角天と恋人同士になれたのに、会う機会がすっかり少なくなっていた。







連絡のやりとりはしているんだけど、やっぱり会いたい。








、、、私、て、いつのまにかこんなに天のこと大好きになっていたんだな。








「あ、あなたちゃん。」







スタジオの廊下で話しかけられたのは小川まゆちゃん。




う、きまずい。







「ま、まゆちゃん久しぶり。

 あ、の。」




「九条くんのこと?

 大丈夫だよ!私もう諦めたし!!

 幸せになってね。」









まゆちゃんはかわいい笑顔で言った。








「っ、ありがとう!」








ほんと、まゆちゃんいい子。









この時の私は、まゆちゃんの笑顔の裏に隠されたことに気が付かなかった。









ーーーーー









「なんで、こんなこと、、、」









『 女優 條森あなた 浮気か?!

 俳優の○○とのデート姿を目撃。』









「っ、違う、これ私じゃない、、、









 天、助けて、、、」







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【 天side 】







あなたに会えない日々が続いていた。





事務所同士でも共演させないようにしてるみたいだし、ほんと呆れる。




歌番組の収録がおわり、楽と龍と楽屋へもどるとき、




「九条さん!」



と、聞いたことのある声が聞こえた。




振り返ると、映画が終わったあと告ってきた小川まゆ。




ボクはすぐに作り笑顔をはっつけて




「楽たちは先いってて。

 で、なんのよう?」




と言った。



小川さんは、楽たちがいなくなったのを確認して、携帯をとりだした。




「九条さん、あなたちゃんのニュース、見ました?あれ酷いですよね。」




、、、ニュース?




「ボクたちのニュースなら、もうとっくに、、、」




小川さんが差し出した携帯の画面をみてみると、あなたと知らない俳優の熱愛報道の記事が書かれていた。







、、、は?









「なにこれ。」








「ほんと、あなたちゃんてひどいですよねー。

 九条くんに会えないからって、他の男に手を出すなんて。

 九条くん裏切られたんだよ。」






ボクは写真をこっそり消して、小川さんに返す。



「これ、あなたじゃないよ。

 これあなたの髪型した小川さんでしょ。
 
 ボクを騙したいならもっとうまくやったほうがいいよ。」




ちょっと低めの声で言うと、小川さんは「えっ、、」と声をもらした。



「っでも。」








「わかってないようだから言うけど。」




ボクは小川さんを見下ろすようにみる。





「あなたが想っている男はボクだけだし









 ボクが想っている女もあなただけだから。」




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