なんなの!!
もう2度とあってやんないんだから!!
昨日心にそう決めたはずなのに。
「おはよう御座います、條森さん。」
目の前には嫌味たっぷりで笑う九条さん。
そうだ、ドラマで相手役だった、、忘れてた。
私は目線をしたにしながら小さく、「おはようございます、、」と挨拶して通り過ぎた。
こうなったら極力関わんないことしかない!
スタッフさんから飲み物を貰おうと、テーブルに近づくと、スッと目の前にお茶の入ったペットボトルがさしだされた。
「あ、ありがとうございます!」
顔をあげると
「どういたしまして。」
ついさっき通り過ぎたはずの九条さん。
え?!いつのまに?!
目を丸くしてびっくりしていると、九条さんが私の腕を掴んでひきよせた
耳に吐息がかかり、目をぎゅっとつぶると
「2度と会わないなんて、これからドラマで一緒なんだから、ずっと会うことになるのに(笑)
バカなの?」
「、、、はあ?!」
「どうしたの、條森さん?」
九条さんの言葉にムカついて言った瞬間、九条さんは私からスッと離れてキラッキラの笑顔で言った。
な、なんなの、、、!!
ドラマ撮影の現場は、大変なことになりそうです。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!