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「ま、まゆちゃんごめん。聞けなかった、、」
「ううん、大丈夫だよ~。」
天め、私をからかってろくに答えてくれないとは、、、、
ほんとに悪魔だわ。
演技やテレビではころっと変わる、天の性格。
ひょっとして、まゆちゃんもあの天の性格に騙されているのかな、、
「ねえ。」
「て、天、、、」
「九条くん。」
まゆちゃんは頬をピンクに染めて、天をみてた。
あ、私邪魔な感じかな。
「あーじゃーえーと。
私トイレー」
「は。あなたに用があるんだけど。」
「何?!女子トイレ一緒に行きたいの?
天ってそーゆー趣味」
「は?何いってんの。まず小川さんに誤解されるからやめて。
あなたのトイレなんて興味ないし。
ほんと、バカだよね。」
「はあ?!!」
口喧嘩が始まろうとしたところで、まゆちゃんがとめてくれた。
ほんっと、こんなやつ絶対好きになんないし!!
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撮影は順調に進み、気がついたらもうクランプアップしていた。
天とのキスシーンもあったけど何事もなかったし。
いつもバカバカ言い合って、楽しくやってた。
私と天がクランプアップの花束をもらったとき、まゆちゃんが天を呼び出した。
、、、もしかして、告白するのかな?!
私は2人にバレないようにこっそりついていった。
まゆちゃんが行ったのは、人気がない建物の裏。
「、、、小川さん、用事ってなんですか。」
天はいつものように貼り付けた笑顔で対応する。
「あっ、あのね、実は私、九条くんのことが好きです。」
案外スラスラといえたまゆちゃん。
すごいなー、、、
天もオッケーするのかな。
「ごめん、ボクには相手がいるからさ。」
「っえ、、、?」
は?
相手、、、って
知らなかった、、
壁にたたずんでいると、ぐいっと腕をひかれた。
「ボクのお姫様はあなただよ。ね?」
え
「はああああ?!」
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。