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まゆちゃんと顔を合わせないまま終わり、今私はスーパーで買い物中。
「にんじんと、じゃがいも、、、あ。」
「すみませ、、、は?」
残り1つだったじゃがいもの袋に2つの手がのびた。
顔をみると見慣れた顔。
「、、あなたじゃん。何してんの。
これボクのじゃがいも。」
「天こそ。
いや、私が先にとったし。」
お互い帽子を深く被っているせいか、表情は見えなかった。
「、、、ごはん、もしかしてカレー?」
私のかごに入っている材料をみて天は言った。
「そう、だけど、、」
「うわぁ、奇遇だね。
ボクもカレー作ろうと思ってた。」
「うざ。」
早く帰りたい。
バレたらめんどくさいことになるし、、、
「ボクんちすぐそこだから、うちでカレー作って食べていかない?」
「は。」
「はい、決定ね。買ってくる。」
天は私のもってたかごと、じゃがいもを持ってレジに向かった。
、、、ええええ?!
ーーーーー
天に連れてこられたのは、お金持ちが住んでそうなマンション。
これ、何階まであるんだろう、、、笑
「ここがボクが住んでいるとこ。
入って。」
「おじゃましま~す。」
最上階に近いところに天は住んでた。
中はシンプルにほとんど白でまとめられていて
とても綺麗だった。
「天って、ひとり暮らし?」
「いや、お世話になってる人がいる。」
「え、私来ていいの。」
「うん。
一昨日くらいから出かけてて、帰ってくるの来週くらいらしいから。」
そこ座ってて、と天はソファを指差した。
ソファはふっかふかで、ここで寝たら気持ちいいんだろうなとか考えてた。
「あ、私も手伝うよ。」
「あなた料理できるの?」
「ひとり暮らしだし、料理できなかったら買い物行ってないから。」
袋からカレーのルーをとりだす。
天はにんじんとか切ってた。
こいつ、料理もできるの。
「天って、なんでもできるんだね、、」
「そう。
ボクって完璧主義だから。」
「うわあ。」
「は、何。」
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!