第17話

17
2,181
2021/02/26 13:43
.






「おはようございます。」






「ちょっ、、、あなたちゃん、どうしたのそのクマ!」






今日から映画の撮影があるから、現場に行ったら、三月さんに言われた。








実はきのう、まゆちゃんからきたラビチャが気になってしかたなく、寝れなかったのだ。






「、、、徹夜してセリフ叩き込んでて~。」




「まじかよ。

 無理するなよー。」





「はい、」






これくらいのクマならメイクで隠せるだろう、と思っていたけど、そんなにひどいかな、、








イスにかばんをおくと






「ひっどい顔。


 バカじゃないの。」









と、聞きなれた声が後ろから聞こえてきた。







カチンとした私は勢い良く振り返った。





「なんですっ、、、、、て」






はっ、として口を抑えた。








目の前にはなにか企んでそうな天の悪魔の笑顔。









これって、話しかけたに入るかな。









俯いていると、ぽん、と頭に優しく手がのった。







「え、、、」







「、、、一応ボクたちのツーショットが多いし。



 いいよ、話しかけても。」








、、、天が!!!!








折れた!!!!←








「う、うんっ!!

 ありがと!!」








慌ててお礼をいうと、天はふわっと優しく笑った。









わ、、、









この笑顔、久しぶりにみたな。




ーーーーー





天と話せるようになってから、撮影がスムーズに進んだ。









お昼ごはんをまゆちゃんと食べていると、





「あなたちゃんって、九条くんと仲いいよね。」







と、まゆちゃんがぽつりと呟いた。






「は?!そんなことないよ。

 あんなやつと仲いいとか、ありえないから。」






ないない、と手を横にふると、まゆちゃんはほっとしたかのように笑顔を見せた。









「そっかぁ。

 、、、どうしたら、仲良くなれるかな?」









「んー。

 たくさん話しかけたら?
 あいつ、結構返してくれるし。」






私はお弁当に入っていた唐揚げを口にいれた。




、、うまっ。






「、、、あなたちゃんがそう言うなら、頑張ってみるね。」







まゆちゃんはほんのりと頬をピンクに染めて言った。









顔が、もう恋する乙女だった。









天も、こういうかわいい子が好きなのかな。









、、、あっ!!









「まゆちゃん、私天に好きなタイプ聞いてくる!!じゃ!」









「え、ちょ、あなたちゃん!」









私を呼び止めるまゆちゃんの声も無視して、天のもとへ言った。






ーーーーー



「てーん!!てーんーどーこー。てんてんてん」









「あなたうるさい。ずっとここにいたし。」









「、、、いつから背後に、、、」









「はあ?ずっとって言ったじゃん。

 バカなの?」









天と少し言い合いをしてから、本題に入る。









「あのさ、天の好きな女の子のタイプ教えて!」









「は、なんで。」









「え、えぇっと、いや、知りたいなあ~って。」









天は大きなため息をして、ふっと笑った。







そして私の顎をとり、、、、









ん?!









顎?!!






こっ、これってまさか顎クイというなの、、、!!








「、、、あなたみたいな子。







 って言ったらどーする?」









「ひゃ、え、え?!!」









そんな甘い声と笑みで言われたらやばい。









みるみると、顔に熱が集まるのがわかる。









「、、、、嘘に決まってんじゃん。バカ。」









天は顎から手を離してどっか行った。









、、、、ですよねー。









天に触られていた顎に、そっとふれた。


.

プリ小説オーディオドラマ