前の話
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夕日が差し込む教室私は1人日誌を書いていた。
私の名前は田中あなた。
どこにでもいる女子高生だ。
「よし、帰るか。」
日誌を書き終わった私は勢いよく走り出した。
ドンっ
と鈍い音がした。
「いったー」
すぐに謝ろうとして顔を見た。
すると相手の顔は赤く紅潮していた。
「あの、すみません。どこもケガしてないですか?」
と聞いたら相手の男の子は更に顔を赤くさせて、
「はい…大丈夫です。」
と答えた。
よかった……
「じゃ、急いでるから。」
私ははまた走り出そうとした。
すると、相手の男の子が
「待ってください!あの……俺1年の藤井陽斗っていいます。
先輩の事がずっと好きでした……。俺と付き合ってください!!!!」
えっ……
突然の事で頭が追いつかない
でも、陽斗くんの手や声は震えていて
思わず手を握った。
すると、陽斗くんは恐る恐る顔を上げた。
私はニコッと笑いかけた。
そしたら、陽斗くんは顔をまた赤くさせた。
今日の出来事私の人生に光が差し込んだのはいまこの瞬間だったのかもしれない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。