あなたside
横峯先生も私も、書かなきゃいけない
書類があり終わり次第
行こうということになった
スタッフステーションで
カルテを書いていると
そこに藍沢先生が入ってくる。
みんなそれぞれ自分の仕事をする。
キーボードの打ち込みの音が聞こえる中
私の心臓の音が響く
白石先生や、藍沢先生に聞こえることは
無いけど息が荒くなったらダメだと
呼吸に気をつけている…笑
白石先生と藍沢先生が背中合わせで座る
白石先生はあえてそっちに行ったんだろう
気にしないようにしているが、
ふたりの会話が耳に入る…
黒田先生、私の命を救った人。
医者になろうとしたきっかけは
他の誰でもない
黒田先生だ。
私もいつか言ってもらえるだろうか
認めてもらえるだろうか
まだまだ努力が足りない。
白石先生はやっぱり優しいな…
あ、、
今日は薬飲むの忘れてた、
近くに薬もないし。
やっぱりスクラブに入れとけば
よかったかなー
この時は知らなかった、
藍沢先生がもうすでに疑ってたことも
見られてしまうことも、運命も
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あのあと、医局に戻り薬を1シート持った
ドクターヘリが見える窓がある椅子に座り
薬を開けた
横峯先生との予定があるから
あんまり長居はしてられないけど
やっぱりここが落ち着くな…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。