あれから緋山先生は全然戻ってこなくて
ぼーっとしていたら時間はかなり過ぎていた
今は、ICUのスタッフステーションにいる
もちろんスタッフは私だけだ、
この朝の静かさが嫌いではない。
藍沢先生に電話しよう、
まだ病院にいるだろうか
家に帰ってたら迷惑…だよね
でも、、誰か呼ばないと!
藍沢先生に気づかれてから電話するのは
初めて、、
なんだか緊張してくる。
痛み刺激を入れてみる
そこに藍沢先生が走ってくる
ゆうとくんがかすかに目を開ける
弱々しくも、藍沢先生の手を握り返す
よかった…助かった
藍沢side
ゆうとくん、意識が戻ってよかった。
久しぶりに救命で命を救った。
7年前の感覚が、感情が戻ったような
気がした。
今は、脳外の方が刺激が大きい。
でも、
救命では俺を必要としてくれている。
どうしたらいい…
あなたがまだあそこにいた事には
驚いたが、
あいつの事だ、カルテをみて
分からないことがあって調べものでも
していたんだろう
そうか、俺は…
ヘリポートを去った
最後の白石の言葉は
聞かなかったことにする
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。