テヒョンから受け取ったのは、
黒い袋に包まれたものだった.
彼に了承を得て、
中を開けると…
綺麗な顔がプリントされた
マスクだった.
彼はそう弱く私に告げた.
気づけば私達も中学3年…
お互いの進学先は、別々だった.
彼のいない、生活はとても不安で.
けれど、彼が変わるチャンスをくれた.
だから、断る理由もなく…
笑顔で受け取った.
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それが、私の過去だ.
私がいじめられていたのは顔のせいだけではなかったのかもしれない.
けれど、彼がそばに居てくれて乗り越えられてきた壁だから、
私は高校生活は、マスクに頼るのだ.
私はベットに寝転がりながら.
窓から見える月を見た…
朝起きれば、太陽が見え.
夜寝ようとすれば、月が見える.
それはまるで私の陰陽を表しているように見えて苦痛でしかなかった.
月を見れば、何故か込み上げてくる涙.
もう泣かないと…
もう戻らないと決めたのに、何故こんなにも辛いのか.
信じないと決めたくせに、テヒョンを信じた.
私は、彼に依存してしまっていたのかもしれない…
そんなことを脳裏から消し去りたくて、
目を閉じた.
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。