けれど、いつからだったか.
仲が良かったころとは、一変して、
私の両親は、
毎日のように、言い争いが絶えなくなっていた.
それを見ている私には、気づきもせず
いや、気づいていたのかも知れないけど.
1日中、飽きずに喧嘩していた.
そして、私は
母親にも、父親にもなるべく関わらないように
生活するようになった.
だが、ある時…
母親から、話をかけられた.
と言っても、彼女はすでに、酒臭く、同時にやつれていた.
私の知っている綺麗だった母は、
全く知らない誰かになっていた.
バタンッ
突然、父が入ってきた.
そして、また喧嘩を始めた.
すごく怖かった.
何故こうなったのか.
もう元には、戻れないのか.
自分の部屋に戻り、私は泣いた.
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!