捨てられたことに気づくにはそんなに時間は掛からなかった.
さぁ、どうしようかと悩んでいたら.
ふと、テーブルの上にメモと通帳が置かれていた.
メモには、
”お金を置いときます.
しばらく家に戻りません.
困ったら、電話してください.”
と、だけ書かれていた。
そして、私は
誰もいない部屋で1人、
狂ったように
笑っていた.
両親に呆れて.
全てに絶望して.
たった1人、広い家の中に取り残されて
自分の”存在価値”を感じなくなってしまっていた.
結局、大事にされていなかった.
信じていたのに.
私は、2人を信じていた.
いくら辛いことがあっても、
私を大切にしてくれるだろうと.
さらに、幼かった私は
これからの生活に不安を覚えていた.
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。