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2,019
2021/11/06

第14話

ずっと好きだった
問題の解き方を教える声や、ペンの音がするだけの静かな部屋に、扉をノックする音が響いた。
ママ
みこ、お茶持ってきたわよ
一宮 みこ
一宮 みこ
ありがとう、ママ
トレーに乗った、温かいお茶とお菓子を受け取って、扉を閉める。
三笠 雅志
三笠 雅志
休憩にしよう
一宮 みこ
一宮 みこ
は、はい……っ!
ティーカップを持つ手が、カタカタと震える。
口まで持っていくけど、こぼれそう。
三笠 雅志
三笠 雅志
ごめん、僕のせいで悩ませてたみたいで
一宮 みこ
一宮 みこ
えっ、あ、あの……
三笠 雅志
三笠 雅志
でも、先週伝えたことは、本当だよ
三笠 雅志
三笠 雅志
僕は、ずっとみこが好きだった。浮気だって、したことはない
三笠 雅志
三笠 雅志
今も、同じ気持ちだよ
一宮 みこ
一宮 みこ
あの、私は……、その……
上手く口が回らなくて、言葉にならない。
三笠 雅志
三笠 雅志
……困らせたいわけじゃないんだ。勉強の邪魔をするつもりもない
三笠 雅志
三笠 雅志
返事は、受験が終わったからでいい。それまでは、先生として線引きするって約束する
三笠 雅志
三笠 雅志
だから、僕のことで悩まないで欲しい
一宮 みこ
一宮 みこ
そ、そんなの……
一宮 みこ
一宮 みこ
そんなの無理です……!
一宮 みこ
一宮 みこ
私は、本当に雅志先輩が好きで、彼女になれて夢みたいで
一宮 みこ
一宮 みこ
でもきっと、好きなのは私だけで、そう思っていた時に、あんなの見ちゃって
一宮 みこ
一宮 みこ
いっぱい泣きました。時間をかけて、やっと諦めました。なのに
三笠 雅志
三笠 雅志
みこ……
一宮 みこ
一宮 みこ
ごめんなさい。好きだったのに、先輩のことを信じなくて
一宮 みこ
一宮 みこ
雅志先輩は、話をしようとしてくれたのに、一方的に無視して
一宮 みこ
一宮 みこ
ごめんなさい
三笠 雅志
三笠 雅志
みこ、泣かないで
雅志先輩になだめられて初めて、自分の頬に手を当てた。
濡れている。
三笠 雅志
三笠 雅志
僕なら、大丈夫
三笠 雅志
三笠 雅志
それに、みこが自分の片想いだって思うくらいに、気持ちを伝えていなかったことを後悔してる
三笠 雅志
三笠 雅志
また会えて、よかったよ
一宮 みこ
一宮 みこ
雅志先輩……
三笠 雅志
三笠 雅志
ほら、休憩はもう終わり。授業はじめるよ、一宮さん
一宮 みこ
一宮 みこ
は、はい、先生!
三笠 雅志
三笠 雅志
頑張って合格して、うちの大学に来てよ
一宮 みこ
一宮 みこ
頑張ります
一宮 みこ
一宮 みこ
(不思議。この部屋で会うたびに、あんなに緊張してたのに)
一宮 みこ
一宮 みこ
(今はとても、居心地がいい)
一宮 みこ
一宮 みこ
(頑張ろう)
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
みこ先輩、今日機嫌良さそう?
一宮 みこ
一宮 みこ
えっ、そ、そう?
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
うん。ずっとニヤニヤしてて、気持ち悪いです
一宮 みこ
一宮 みこ
本当に、一言多いなぁ!
次の日、登校途中に修斗くんに会って、一緒に学校に行くことにした。
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
なんですか、いいことでもあった?
一宮 みこ
一宮 みこ
いいことっていうか……
一宮 みこ
一宮 みこ
雅志先輩のことなんだけど
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
…………はい?
一宮 みこ
一宮 みこ
私たちが別れた理由……、あれね
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
浮気でしょ
一宮 みこ
一宮 みこ
ううん、違うの。……誤解だったの
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
は?
一宮 みこ
一宮 みこ
勘違いだったみたい。私が早とちりして、勝手に疑って、話を聞こうとしなかっただけだった
一宮 みこ
一宮 みこ
修斗くんにも、すごく迷惑かけたよね。雅志先輩を、一方的に悪いような言い方しちゃったし……
一宮 みこ
一宮 みこ
あの時は、ごめんね
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
……
一宮 みこ
一宮 みこ
……今もまだ、ちょっと混乱してて
一宮 みこ
一宮 みこ
ずっと、雅志先輩を悪者にして、だから別れてよかったって、思うようにしてたから
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
……
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
浮気じゃないって、最初からわかってたら、みこ先輩はあの時……
一宮 みこ
一宮 みこ
え?
五十嵐 修斗
五十嵐 修斗
……なんでもないです
それから修斗くんは、何かを考え込むように黙ってしまい、会話がないまま学校に着いてしまった。