第27話

26 デビュー
1,055
2020/08/12 12:42
とある朝スマホに連絡が入った。
滝沢
滝沢
リンクから飛んで
この一言が社長から届いた。


当然あの日から私は会社を辞め違う道に進んだ。




         “TravisJapanデビュー”


この一言がリンクの先にはあった。

ゲリラデビュー会見が始まっていた。


宮近君が目を赤くさせながらマイク片手に話をしていた。
海斗
海斗
僕らは今のTravisJapanになってから今まで以上にデビューへの願望が強くなっていました。
丁度デビューについて過敏に反応してピリついている時でした、ある人が僕らの間をめちゃくちゃにしたんです。
海斗
海斗
でも、その人は誰よりも僕ら一人一人を見て分析してくれていました。けれど、その人はある日から僕らの前から消えました。
海人
海人
でも!その日からもっと皆んなの団結力が強まって頑張ろって前よりも明確な目標が出来たんです。


うみくんの声と姿を目にすると自然と涙が溢れて来た。
記者
それはどうしてですか?
閑也
閑也
その人にいつか俺らが世界進出して夢を叶えてる姿を見せたくて、見てもらいたくて。
いつか、また会いたくて…
海斗
海斗
でも、この意見に辿り着くまでには時間がとてもかかって…
如恵留
如恵留
答えが出たのは滝沢君のおかげでした。
記者
具体的にどのような事をしてもらったんですか?
海斗
海斗
僕らの間をめちゃくちゃにして行ったその人の本当の目的です。
海人
海人
正直解散するかと思っていましたし、その人に対して沢山の怒りを覚えました。でも、滝沢君は言ったんです、全ての行動は皆んなのためだったと。
海斗
海斗
だから、今こうしていられるのが幸せだと心から感じています。どうかこの会見を見ていたら僕らに直接お礼を言わせてください。朝早くからスタジオセットを一生懸命してくれてたあの日のバラバラになった場所で…



でも何故だかこの会見を聞いても私は動かなかった。

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