第14話

TᕼIᖇTEEᑎ
1,663
2022/12/17 10:01

《あなたside》


あなた
...はぁ

このままじゃあかんわ、気持ち切り替えんと...




そうは思っても、やはり目の前での舎弟の死は耐え難いものだった。




なんであの時躊躇したんや...もしも俺が止まらずに助けにいってたら、きっと苅込は...




俺は村雨町を歩きながら一人後悔していた。




すると前から人の気配を感じた。

あなた
あ、浅倉の兄貴...
浅倉潤
浅倉潤
あなた。元気ないやん、どした
あなた
えっと...実は

俺は苅込の死を話した。



浅倉の兄貴は「そうか」、といい、続ける。


浅倉潤
浅倉潤
...ちょっと、支部の方で話そか
あなた
え...?分かりました

俺は浅倉の兄貴について行った。









浅倉潤
浅倉潤
ほとんど人は入ってこんから安心せえ

そう案内されたのは、村雨町の支部の中にあるひとつの部屋だった。



聞くとここは隠し部屋みたいなものとのこと。



初めて入ったな...



少しだけ他愛のない話をした後、兄貴はさて、と本題を切り出す。

浅倉潤
浅倉潤
苅込が死んだ言うたな...お前はそれをどこで知ったんや?
あなた

不意打ちの質問にすぐ答えられなかった。

あなた
...えっと、
 
俺は何とか言葉を絞り出し、苅込が目の前で死んだことまで全てを伝えた。


浅倉潤
浅倉潤
なるほどな...

浅倉潤
浅倉潤
聞いてもええか分からんけど...お前はなんで苅込を助けへんかったんや
浅倉潤
浅倉潤
なんで助けられる距離にいたんに躊躇したんか...教えてくれるか?

俺を不安にさせないようにしているのか、そう聞く声は優しかった。



俺はゆっくりと口を開く。

あなた
苅込の右腕が...俺が来た時にはもうなくて
あなた
俺、狼狽えちゃったんです。極道やってるのに情けないんですけど...
あなた
だからあの時...すぐ助けに行けなくて
浅倉潤
浅倉潤
...なるほどな

苅込...



俺にはまだ後悔が残っていた。



なんで戦争なんか...戦争なんかせんければ、苅込も韮澤も、ほかの舎弟も死ぬことは無かったのに。



浅倉の兄貴は何かを考え込んでいる様子だ。




そして次の瞬間、兄貴から投げられた言葉は驚愕するようなものだった。

浅倉潤
浅倉潤
あなた、お前...

























浅倉潤
浅倉潤
天王寺組やめろ。







あなた
...え?

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