第19話

EIGᕼTEEᑎ
1,685
2023/01/22 03:16









あなた

意識を失った俺が目覚めたのは、どこかのベッドの上だった。




ここどこだ...俺、道端で倒れたはずじゃ...




手当までされてる...誰かがやってくれたのか?

あなた
っ...痛え

起き上がるのも一苦労だ...



こんなところに居ないで、早く兄貴達の元へ行こう。



俺がベッドから降り立ち上がろうとした時、ある声が聞こえる。

お前、目覚めたのか?
あなた
!!

俺の視界に映ったのは__

久我虎徹
久我虎徹
ひでぇ怪我だ、動かない方がいい

京極組の久我虎徹だった。



こいつ...確か以前天羽組と戦ってた組のやつだ。



2つの組の仲は修復されたと聞く...まずいな、天王寺組とはバレないようにしないと。

あなた
大丈夫、ありがとう。お前が手当してくれたのか?

大阪人だとバレないように標準語で話す。
意外に難しいな...

久我虎徹
久我虎徹
あぁ、だがお前を見つけてくれたのは__

それと同時に、部屋のドアがバン!と音を立てて開く。

花沢
花沢
久我の兄貴!あの人無事っすか?
佐古大和
佐古大和
は、花沢!押すなぁぁ
花沢
花沢
すんませーん、タコパイセン
佐古大和
佐古大和
佐古だ!

なんか色々騒がしいな...



それに気づいた久我が俺に言う。

久我虎徹
久我虎徹
悪いな...今ので大体分かったと思うが、お前を見つけてくれたのはあの銀髪の花沢って奴だ
久我虎徹
久我虎徹
んであの金髪が佐古

花沢...佐古...どちらも聞いたことない名前だ。新しい舎弟か?

花沢
花沢
名前なんて言うの??
あなた
...あなた

名前だけならバレないよな...?

花沢
花沢
俺花沢!よろしく

花沢が屈託のない笑顔でそう言い終わると、久我が本題だとでも言いたげに俺に話しかける。

久我虎徹
久我虎徹
で...お前、なんでそんな怪我してんだ?
花沢
花沢
すげぇ痛そ〜
あなた
あぁ、これか...

...まずい、どう言い訳しよう...



転んだだけでこんな怪我はしない...何か、何か言い逃れできるような言葉は...



そうこう考えていると、久我が口を開く。

久我虎徹
久我虎徹
お前...隠してるっぽいが、俺らと同じ極道だろ?
あなた
えっ
思わず声が出る。



...やっぱり同業の人にはバレるか。

佐古大和
佐古大和
え?極道なのか?!
花沢
花沢
通りでそんな怪我するわけだぁ...
あなた
...まぁ、な
花沢
花沢
ちなみに何組?俺でも知ってる?

...この人たちなら、話しても良さそうだけど。
一応隠しとかなきゃな。

あなた
秘密
花沢
花沢
え〜!いいじゃんか別に

思わず俺は笑みがこぼれた。



ここ、雰囲気いいな...別に天王寺組が悪いわけじゃないけど...



少なくとも、仲間を大切にしてそうで。

あなた
ありがとう、俺帰るな
久我虎徹
久我虎徹
ほんとか?見る限り重傷っぽいが...
あなた
俺極道だからそんな簡単に離脱できねぇよ、大丈夫。

正直、今立ち上がっただけでもかなり痛い。自身の重みと重力が怪我をしている腹にのしかかって、圧迫感が強くなる。



だけど...ただでさえ人手不足な天王寺組を、休む訳にはいかないから。

あなた
久我、花沢、佐古...ありがとう。お互い頑張ろな

そう言って俺は部屋を出ていった。






___






花沢
花沢
...あの人、大阪の人っすかね?
佐古大和
佐古大和
なんでだ?
花沢
花沢
いや、イントネーションが関西っぽかったんで。ただの俺の聞き間違いかもしれないっす!
久我虎徹
久我虎徹
そうか...ま、今はこれといった争いもねぇし、調べてみるか?
花沢
花沢
いいんすか?!久我パイセンやるぅ〜!
久我虎徹
久我虎徹
久我の兄貴、な
久我虎徹
久我虎徹
明日風谷にでも聞くか...

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