第12話

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1,767
2022/12/06 12:12

俺の名前は小峠華太。

小峠華太
小峠華太
和中の兄貴、行ってらっしゃいませ
和中蒼一郎
和中蒼一郎
金科玉条  他人のシマに土足で踏み入る外道は...全て切り捨てる。

凍てつくような殺気を放つ和中の兄貴を見送る、武闘派の極道だ。



激化の一途を辿る、関西系天王寺組との羽王戦争。



先日香月の兄貴がキャバクラ「Coo」の支部に偵察に入ったが、そんな兄貴からあることを聞いた。

香月紫苑
香月紫苑
小峠、天王寺組NO.3のあなたの名字あなた...知ってるよな?
小峠華太
小峠華太
もちろんでございます、それがどうかなさいましたか?
香月紫苑
香月紫苑
知ってると思うが、アイツは相当な手練だ

香月の兄貴はその日のことを思い出すように言う。

香月紫苑
香月紫苑
殺気は消してたはずなんだ、なのにあなたの名字はその僅かな殺気を感じ取って俺の攻撃を避けた。...しかも後ろから
香月紫苑
香月紫苑
小峠、奴に会った時は気をつけろ...
小峠華太
小峠華太
分かりました、香月の兄貴も__
香月紫苑
香月紫苑
と、言いたいところだが

「香月の兄貴も気をつけてください」
そう言おうとした時、兄貴が俺の発言を止める。

香月紫苑
香月紫苑
小峠、見てみろ。俺の体に傷があるように見えるか?
小峠華太
小峠華太
いえ...全く
香月紫苑
香月紫苑
...つまり、言いたいことは分かるな

きっと兄貴が言いたいのは...あなたの名字が手を出してこなかったということだろう。



目立った外傷は何も見えない。

小峠華太
小峠華太
はい、あなたの名字は兄貴のことを攻撃しなかった...ということですよね?
香月紫苑
香月紫苑
あぁ、俺にはあの時確かに隙があった。正直、No.3の実力なら本気を出せば殺せたと思ってる
香月紫苑
香月紫苑
だけど、そいつは俺に手を上げることもなく去っていったんだよ
香月紫苑
香月紫苑
もちろん俺が天羽組だと伝えた上で、な

城戸派No.3、あなたの名字...



本当に何を考えているのか分からない。
この間言われた「戦争を終わらせてくれ」...



利用してもいい、と言っていたが...なぜそこまで人を殺さないのか、戦争が嫌いなのか。



まだまだ謎は深い...だが戦争を早く終わらせたいという気持ちは、きっとみんな一緒だ。

香月紫苑
香月紫苑
まぁ、俺があの時女装姿だったから見逃したっつーのもあるかもしれねえ
香月紫苑
香月紫苑
消して気は抜くなよ、小峠。
小峠華太
小峠華太
香月の兄貴の助言、感謝致します
 
そうして俺は香月の兄貴が去っていくのを確認した後、外へ行き一服していた。



あなたの名字あなた...アイツは一体、なんなんだ。



本当にNo.3なのか...?確かにこの間のカチコミの時、実力は知った。だが、俺には正直......

...いや、あなたの名字のことを考えるのは一旦やめだ。
今は自分の仕事をしっかりやるべきだな...



俺はタバコの火を消し、事務所の椅子へ戻った。

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