前の話
一覧へ
次の話

第21話

TᗯEᑎTY
1,805
2023/03/02 12:54




_______










苅込一輝
苅込一輝
_____あなたの名字の兄貴!
あなた
!!
あなた
え...苅込?

どうして...どうして苅込がいるのだろう。これは、夢なのか?

苅込一輝
苅込一輝
ぼーっとせんで下さいよ、話がある言うたの兄貴やないですか
あなた
なんで...お前、死んだはずじゃ

苅込が眉をひそめた。

苅込一輝
苅込一輝
死...?何言うてるんですか?
頭でも打ちました?
あなた
だって...苅込、俺の目の前で、右腕切られて...

苅込の右腕を掴みながら、俺は思い出したくもない、あの日のことを言う。



しかしそんな俺の気持ちとは裏腹に、苅込はさらに眉をひそめる。

苅込一輝
苅込一輝
ホンマに大丈夫ですか?兄貴
ちょっと休んだ方がいいですよ
苅込一輝
苅込一輝
ねぇ、韮澤の兄貴?
韮澤
韮澤
そうやなぁ。最近忙しかったですもんね
韮澤
韮澤
俺たちのことはいいんで、ゆっくり休んでください
あなた
韮、澤...

ドクン、と心臓が鳴る。



なんで...どうなってるんだ?確かに、この2人は、俺の、俺の前で死んだはずなのに...



動悸が激しくなっていくのが分かった。

苅込一輝
苅込一輝
とにかく、兄貴は自分の家戻って休息とってください!

そういい苅込が背中を押す。



まだ状況が飲み込めてない俺は、されるがままになるしかなかった。



事務所のドアの目の前まで来たその時。

あなた
...え

俺の腹部に、長い刀が貫通していた。



何度も見てきたから分かる。



これは___苅込の柳葉刀だ。



ゴフ、と口から自身の血が零れるのが分かる。



俺はゆっくりと後ろを向いた。

あなた
__っ、

思わず息を飲んだ。



そこには、俺が今まで見たこともないような表情をしながら、俺の事を見つめている苅込と韮澤の姿があった。



そして先程の推測の通り、俺の腹に刺さっている柳葉刀はまさしく苅込が持っていた。

あなた
なん、で...
苅込一輝
苅込一輝
兄貴、さっきからそればっかりですね。
自分で分からないんですか?

苅込がため息をつく。
腹が痛みでじんじんする。



柳葉刀...抜こうと思えば抜けるはずなのに、何故か体が動かない。



そして今度は韮澤が口を開く。

韮澤
韮澤
兄貴のせいですからね
あなた
え...?
韮澤
韮澤
兄貴がもっと早く現場に来てたら、俺らは死ななかったかもしれないのに

さらに血の気が引くのを感じる。



やっぱり、2人は死んで__

苅込一輝
苅込一輝
兄貴はいつも遅すぎるんですわ
苅込一輝
苅込一輝
俺の時に至っては、右腕がなくて戸惑った?
笑わせんでください

息が苦しい。
それが腹を刺されたからなのか、どうしようもない罪悪感からなのかは分からない。

苅込一輝
苅込一輝
こーいう刃物は...

苅込が柳葉刀をグッと握る。

苅込一輝
苅込一輝
刺してからひねって抜くと、大量出血するんでしたっけ
あなた
ゔっ...!
苅込一輝
苅込一輝
兄貴が教えてくれたんですよ、全部

あぁ、苅込と韮澤は...やっぱり、俺の事恨んでるんだ...



ごめん、不甲斐ない兄貴でごめんな...



俺は床に倒れこみ、そのまま意識を失った。


























あなた
__はッ...!!

思わずガバッと起き上がった。



冷や汗がすごい。なんだ、なんだったんだ今の夢...



俺は思わず自分の腹を触った。



一瞬包帯に手が触れてゾッとしたが、すぐに天羽組の小林と戦ってついた傷だと思い出す。



本当に、なんなんだ...

あなた
これじゃあ寝れんな...

早く治さんとあかんのに、なんでこんな夢...



2人はこんなこと思わんって、言わんって分かっとるのに。



そんな小さな淀みが、消して解毒されない毒のように、俺の思考をどんどん侵食していくのを感じた。



二度とこんなことが起きんように...その為にも、できる限り早急に完治せんとあかんのに。



俺はただ、闇病院のベッドで痛む腹を我慢しながらうずくまっていた。



その時、頭上から声が聞こえる。

あなた

俺はゆっくりと顔を上げた。

あなた
あなた
浅倉の兄貴...
浅倉潤
浅倉潤
...あなた、無事でよかった

プリ小説オーディオドラマ