私たちは廉くんがごり押ししてきたきゅうりの浅漬け?みたいな物を食べながら花火が上がるのを待った。
今は7:23。
花火が上がるのは2分後の7:25。
早く上がらないかな~
綺麗なんだろうな。廉くんと見る花火は。
花火、どこで見ようかな……
毎年混んでるんだよな~どこも。
あ………、あそこなら空いてるかも…!
あ、廉くんも同じこと考えてたんだ!(笑)
キュン……、
廉くん………
私たちは手を繋ぎながらお寺の方に向かった。
カポッ
廉くんはお面を取った。
凄い焦るんだけど!
付けないと!付けないと!
カポッ!
ぅっ……。!
廉くんにそんな風に見つめられたら何にも言えなくなっちゃうじゃん……。
反則だよー
ドドーン!!
花火だ~~~!
そういって廉くんの方に目をやった。
あれ?廉くん……
、……………………!
わたしはもう一度廉くんを見つめた。
廉くんは走って行ってしまった。
私は廉くんの後を追いかけた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!