第14話

ep.12 秘密 ¿
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2018/05/14 02:10
キ ケ ン な 味 と 香 り  /  ep.12




‘ 誰か携帯なってねぇ?



部員の一人が、

栞のいるほうのロッカーを見た。



r ‘あぁ多分俺のですよ ... 。すみません、多分友達だから、ほっといてもらっていいんで。



蓮がしれっとした表情で言う。



‘ほんとに友達かー??まさか彼女なんじゃねぇの?



学年一モテるのに、

誰とも交際しているという噂を聞かない蓮に

皆は色々な詮索をする



r ‘さぁ ... 。もしかしたらそうかもしれませんけど



少し笑いを含んだ声でそう言うと、

みながやっぱりいるのかと騒ぎ出す。



その騒ぎに乗じて、

蓮はリモコンの調節つまみを最大に上げると



栞が溜まらずその場に座り込んだ。



’きゃ!栞ちゃん!?



頬を真っ赤に染めて、荒い息をしている栞。



隣にいた同じくマネージャーが

驚いて声を出す。



s “だ … 大丈夫です ... ちょっと眩暈が ... 。



その潤んだ瞳と、

掠れた声に部員達が息を呑んだ。



いろっぺー … 誰かがついついボソリと

漏らした声に、蓮がちっと舌打ちをする。



‘もういいから、帰れ来栖 … 。制服に着替えるか?

s “は … い。



そう言うと

よろよろとロッカーの後に消える栞。



女子用の更衣室は無いため、

ロッカーで目隠しされた場所がマネージャーの

着替えの場所であったが



シュルシュルと聞こえてくる衣ずれの音に、

またも皆の頬が染まる



なんか … あいついつにも増して

色っぽくねぇ?



ボソボソと、あちこちから興奮した声が

上がり、蓮はしまったという顔で

天井を見上げる。



r ‘俺 … 湿布足らなかったからもらってくるんで … 来栖連れて行きますよ、保健室。



着替え終わって制服で出てきた栞の腕を

引っ張りながら、演技をするのももどかしく

蓮は部室を後にした — 。




next. __________

✒︎ chloé

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