キケンな味と香り / ep. 27
蓮がすっきりとした顔で学校に向かったのは
それから10分後のこと。
. . .
s “はぁ ...
ごちそーさま、の一言を残して
出かけていった蓮を真っ赤な顔で見送って
栞はどこかふわふわしている体を
なんとかソファまで運びポスンと体をうずめる
き … 昨日、あんなに …したのに、蓮ったら…
ぼっと顔が赤らむのを感じて、
栞はぶんぶんと頭を振る。
寝不足気味なので、このまま座っていたら
二度寝をしてしまいそうだ。
新一だって同じ睡眠時間しかとっていないのに
一日学校へ行って来なければならない。
自分だけ寝ているなんて、絶対ダメだよねと
いい天気な空を窓から見やり、立ち上がる。
って、なによこの格好 …
真っ裸に白いエプロン一つ。
暖房が効いているので寒くはないが、
猛烈に恥ずかしい。
やっと動けるようになり玄関先に行くと、
栞の衣服が乱暴に脱ぎ捨てられていて
栞は真っ赤になりながらそれを拾い、
着込んだ。
下着はびしょ濡れ、
もう一度履くのは躊躇われて …
… もう、恥ずかしいな。
なんて思いながら、
… でも新婚夫婦みたい、
なんて思いながら栞の1日が始まった — 。
next. __________
✒︎ chloé
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。