もうこの状況まで落ちるの毎回だ…。
真っ直ぐ見つめられるから
どうしようもなくて逃げようとする。
“ドンッ”
女子に人気な壁ドンを今まさにされている。
この人何がしたいの?
出会ってすぐの私をどうしてこんな知りたがるの?
さり気なく指と指を絡ませてくる。
言葉が返せない。
そう,だって事実だもん。
居られない理由なんて1つもない。
きっと連れてこられた時から,
嫌だって言いつつきっと嬉しかった。
そんな気持ちが何処かにあったんだ。
顔を覗き込んできて,
微笑むその顔は,
まるで私の“すべて”知ってるみたい。
それでも私は嘘をつき続ける。
悪戯な顔で言う。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。