母はピクリとも動かない
母の身体を揺らすけど返事はない
手にヌメリとした感覚を覚えた
真っ赤に染まった私の手、真っ赤に染まったワンピース
部屋の鏡が現実を写し出す
もう涙と鼻水で息をするのさえ苦しかった
ああ、神様、これは現実じゃないって言ってください
ただただ、泣くことしか出来なかった
ダレカ、タスケテ
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誰かが私を呼んでる....
温かい手....とても安心する......
ハッ......私は目が覚めた
ギュ
貴久に抱きしめられる
抱きしめられた所から伝わってくる彼の熱はとても温かった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。