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2020/05/09

第1話

第1夜 -胎児を隠す。
自分は公衆便所にあるまじき防犯カメラです。

防犯カメラですとは言いますが、

実は目的は盗撮です。

誰かが仕掛けました。

きっと愚かな人間でしょう。

女子トイレの上の方から

下を広く見下ろしています。



公園にある古い汚いトイレです。

-


人が入ってきました。


当たり前ですが、女の人です。

何かを抱きかかえながら

中腰で

大股でゆっくり入ってきました。





彼女はとても歩きにくそうにしていました。

抱えているものからはロープのようなものが伸びていて

なるほど

彼女が歩きにくそうにしていたのは

そのロープが彼女の股座から伸びていたからです。





彼女が歩くと足跡が残りました。

水のような血のような

赤黒い水が彼女の足元を濡らしています。

彼女は抱えていたものを洗面台の上に乗せました。








それは何だかぶよぶよしていて薄い膜に包まれていました。

そして中には何かが入っているのが分かりました。










-(((べしゃっ。


置いた途端にすごい音がします。







どうやって取り出したのか、出てきたものなのか

それは膜に覆われた赤ん坊でした。

と言うことは

さきほどの水のようなものは

やはり血と

漏れ出た羊水かもしれません。




赤ん坊は膜に覆われていると言うことは

生まれているとは言えない?


ロープのようなものは臍の緒で

赤ん坊はまだ肺呼吸をしていない?

産声はあげていない…

と言うことは…胎児???










女が震える手でそれに手を触れました。





そして指で膜を破ると

中から残りの水が溢れて出ました。


洗面台はなんとも言えない色のグラデーションで満たされます。

その中には、赤ん坊。







女「隠さなくちゃ。」












そう言ったのが聞こえて、



そのとき初めて

自分と彼女の目が合いました。










-完-