ねぇ、教えて。
は?何を?
夜。
椿と彼岸が寝た頃、私は萩句に質問した。
...秋句のこと。
萩句の顔色が変わる。
秋句は、萩句のお兄さんなの?
だから何だ。
お前が何故、秋句を知ってるのかは
分からない。
けど、お前には関係ないことだ。
関係あるよ。
...は?
私は、秋句に助けてもらったんだ。
十年前に。
十..年前...?
お前、十年前に秋句を見たのか⁉
萩句は身を乗り出す。
え?う、うん。
十年前は秋句が..兄さんが...
『死んだ日だ。』
...え?
秋句、死んだの...?
ど、どういうこと...?
私がそう言うと、萩句は少しためらって、
椿と、彼岸には言わないでくれ。
と言った。
私は、ゆっくり頷く。
すると、萩句は話を始めた。
十年前...
誰だ!私の神器を壊したのは!!
まぁ、そう騒ぐでない。
しかし!!
...そうですよ?騒ぐのはあまり
良くないです。
神の間で行われる、会議が開かれていた。
それに、犯人は
もうお分かりでしょう?
誰だ⁉
何をとぼけてらっしゃる。
犯人は萩句だよ。
は?
何で俺なんだよ!!
そうだ。弟は何もしていない。
はて、その証拠は何処に?
っ...
神と妖怪の間に産まれた者など
そのようなことしかしないであろう?
そう。俺は神の父と妖怪の母の間に産まれた半神。
半妖であり、半神。
兄さんは、神の父と俺とは違う神の母との間に
産まれた。
だから、完全に“神”なのだ。
それなのに、俺は...
萩句はそんなことしない。
兄さん...
お前は何故、優しくする?
...え?
死にそうな人間や妖怪に自らの
体の一部を渡し神使にする?
もう、お前の本当の体は右目だけ
じゃかいか。
その右目がなくなればお前は
消滅するのだぞ?
良いんだ。それでも、救われる者が
いるのなら。
まぁ、ともかく、萩句は犯人
じゃない。
良いね?
あ、あぁ、秋句が言うなら...
それで、会議は終わった。
俺と兄さんは家に帰った。
神なのだから勿論、社に。
ありがとう。兄さん。
うん。
兄さんは笑った。
あーきーくー!!
お兄ちゃんうるさい...
えー?そんなうるさい?
つ、椿には言ってないと思うよ...?
そ?
う、うん。
ね!聞いて!秋句!
ん?
森で女の子見つけた!
小さい子?
う、うん。
えー?女の子見つけたのー?
...椿は黙ってて。
はーい。
その女の子、どこらへんにいた?
えーっとね、道のところを
少し歩いたとこかな?
そう。ありがとう。
秋句はそう言って立ち上がった。
どこ行くんだ?
女の子のところ。
俺もー!
わ、私も。
じゃ、私はごはん作ってるね!
...僕は椿の手伝い。
俺はそんな椿たちを見てる。
宜しくね。
おう。
じゃ、行ってきます。
秋句はそう言って、社を出ていった。
それから、秋句が帰って来ることはなかった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。