第11話

恩人
518
2019/01/20 11:39
死仙
どうだ。今の気持ちは。
死仙が急に、我の前へ現れた。
やはり、お前の仕業か。
死仙
目と脚、痛そうだね。
死仙はそう言って、クスクスと笑う。
何が目的だ。
我がそう言うと死仙は、不敵の笑みを浮かべた。
死仙
目的なんてないよ。
...は?
死仙
ただ、物を壊してるだけじゃん。
物を壊す...?

森の命を、妖怪の命を、“物”と言うのか...?
許さぬ。
死仙
ん?
絶対に、貴様だけは許さぬ。
森の命を奪い、妖怪の命を奪い、
それが“物”だと?
ふざけるな。
我を怒らせたこと、今に
後悔するがいい。
我がそう言うと、死仙はまた、クスクスと笑った。
死仙
ひぁー。こっわーい。
死仙
でも、その怪我でどうしろと?
死仙
お前は何も出来ない。
死仙
まぁせいぜい、死ぬまで僕への恨みを
抱えてるんだな。
死仙はそう言って、醜い笑顔を浮かべながら
消えていった。
“死ぬ”..か...。
我は時期に死ぬ。


それは、怪我をしてからもう、決まっていたこと。

嫌とは思わぬ。


だが、心残りといえば...
柊..夜曇...
柊。

我の旧友であり、同士。


夜曇。

我の弟子であり、拾い子。



二人にまた、会いたい。





















だが、そうはいかない。




















我は、森と妖怪を守り、消滅する。




















今残っている全ての力を森に注ぐ。





すると、森が光出す。
























森の傷、妖怪の傷が間も無く消えてゆく。




















これが、本当の我の力。


こんな性格で、こんな口調で、治癒とは呆れた
ものよ。
























さぁ。森へ還ろう。

























────────────────────────────────






















ここは..どこだ...?


見慣れない、静かな森だ...



















ああ、そうか。

ここはきっと、天界。




我はそう思い、寝ていた身体を持ち上げる。





















???
あっ!だ、駄目だよ...
???
まだ、怪我治ってないから...
怪我...?

ここは天界ではないのか?
お主は何者だ。
???
えっ?ぼ、僕?
木野 遥
木野 遥
僕は、木野遥..です...。
お前は何を企んでおる。
木野 遥
木野 遥
え?た、企んでるなんて...
うむ。反応からして、悪い奴ではないようだ。
それより、お前は我を
看病しているのか?
木野 遥
木野 遥
は、はい...
木野 遥
木野 遥
隣町の森で倒れてるの見つけて...
木野 遥
木野 遥
それで、そこにいるのも危ないから
この森に運んで...
そうか。
木野遥だったか?礼を言おう。
木野 遥
木野 遥
え?は、はい...
こやつは何故こんなにオドオドしているのだ?

まぁいい。

ここは正直に看病を受けるとしよう。






















それから我は、遥に何日もかけて
看病してもらった。

今でも左目は癒えず、失明したが問題はなかった。


遥と過ごすうちに、遥の思い、優しさ、それらを
多く受け、心を動かされた。

今では主として我を側においている。



柊は、我を探す為に森から出たが、食料を獲られず
倒れたところ、主に助けられた。


夜曇は...



















もうっ!人間をいじめちゃ駄目っ!
夜曇
す、すみません...
咲原 愛
咲原 愛
上司と部下...
萩句
萩句
ん?何だ?それ。
咲原 愛
咲原 愛
萩句は分からなくていい。
萩句
萩句
はぁ⁉
彼岸
彼岸
うるさい...
椿
椿
本当だよ!うるさい!
萩句
萩句
お前もな。
椿
椿
え?
木野 遥
木野 遥
あはは...
仲間入り(?)した。

プリ小説オーディオドラマ