第43話

希望
354
2019/07/01 14:15
司泉
手がある‥‥‥
萩句
萩句
まだそれ言ってんのかお前
夜曇
妖怪は体の一部が無くなっても応急措置で取り戻すことが出来るからな
椿
椿
遥はもう二度と取り戻せないけど‥‥‥
萩句
萩句
大丈夫だ。後でみそぎをやる
禊!?
秋句
秋句
え、い、良いの‥‥‥?
萩句
萩句
何度もやってる兄さんに言われたかねぇな
秋句
秋句
うっ‥‥‥
みそぎ‥‥‥?何それ‥‥‥


っていうか、
咲原 愛
咲原 愛
戦闘中だよね?皆
随批
くっ‥‥‥!?
随批
何故届かない!?
随批、只今ただいまボロ負け中。
禊をそんな軽々と‥‥‥
彼岸
彼岸
他の神様じゃ絶対に有り得ないから‥‥‥
皆さん、よそ見してお喋りしながら随批をボロ負けさせるとかどんだけ強くなったんです?
随批
くそっ‥‥‥!
随批が手を上げる。

─────あの爆音がくる‥‥!
咲原 愛
咲原 愛
耳塞いd‥‥‥
芍薬
無駄無駄ー!
‥‥‥ん?
牡丹
いくよ?
芍薬
おう!
牡丹
せーのっ!
芍薬
せーのっ!
芍薬
ばばーん!
牡丹
今、ズレた
芍薬
いーじゃん、別に。随批あいつの能力剥奪できたんだし
剥奪‥‥‥!?
秋句
秋句
今のばばーんって効果音いる?
芍薬
いる!
彼岸
彼岸
‥‥‥‥いらない
芍薬
えぇ!?
いや、それよりも、能力剥奪って‥‥!?
随批
何をのこのこと‥‥‥!
随批
お前らはこれで終わりだ!!
随批が手を上げる‥‥‥‥‥が。
随批
‥‥‥‥?
随批
お、終わりだ!!
随批
終わり‥‥!おわ‥‥‥
能力がいつまでたっても発動しない。


───まさか、能力剥奪って‥‥‥‥
秋句
秋句
残念だね。君はもう能力を使えない
芍薬
だって、俺らが‥‥‥
牡丹
“剥奪”したからね
秋句
秋句
この能力はともえ様の元へ持って行かなくちゃね
秋句は笑う。
‥‥‥初めて、秋句の笑顔が怖く思えた。
随批
くそぉぉぉぉぉ!!
なにこの漫画にいる敵が負けた感。





木野 遥
木野 遥
ケホケホッ‥‥‥
足を失った遥は、この部屋の隅に座っている。
咲原 愛
咲原 愛
遥‥‥‥!
ふと、咳をしたかと思うと、遥は吐血していた。
椿
椿
やっぱり応急措置じゃ‥‥‥
萩句
萩句
だからみそぎやるつってんだろ
彼岸
彼岸
‥‥‥いいの?
彼岸が萩句の顔を覗き込むように問うと、萩句は優しく笑った。
萩句
萩句
駄目なわけねぇだろ。俺がいない間、愛を守ってくれたんだからな
そして、遥の元へ行くと萩句はどこかで聞いたことのある言葉を遥に言った。
萩句
萩句
‥‥‥少し、熱くなるぞ
────これは私が神使になる時、秋句が言った言葉‥‥‥
木野 遥
木野 遥
あ‥つ‥‥‥
萩句
萩句
もう少しだ






そして、少し経つと‥‥‥‥





遥の足が治っていた。


それと同時に、萩句の両足が無くなっていた。
萩句
萩句
兄さん、偽足
萩句はそう言って、秋句を見上げる。
秋句
秋句
世話の妬ける弟だねぇ‥‥‥
秋句はふっと笑うと、地面から芽が生え幹が伸びかたと思えば、あっという間にそれは萩句に絡みつき足の形へ変化して、偽足となった。

遥はというと、その様子を間抜けな顔で見ているだけだ。
木野 遥
木野 遥
足が‥‥‥
すると、萩句は遥の足を指差した。
萩句
萩句
それ、俺の足だから。大事にしろよ
木野 遥
木野 遥
えっ!?
み、禊ってまさか‥‥‥
咲原 愛
咲原 愛
神使になる儀式!?
夜曇
今頃?
遥がとうとう神使に‥‥‥
萩句
萩句
俺は大地と復興の神、萩句。だからお前は大地を操り、あらゆる土地の復興ができる。覚えておけ
大地って‥‥そんな大規模の‥‥‥‥
木野 遥
木野 遥
わ、分かった‥‥‥
木野 遥
木野 遥
足、ありがとう
遥は申し訳なさそうに萩句を見たが、萩句は『愛を守った報酬』と言って笑った。
木野 遥
木野 遥
僕‥‥‥ちゃんと守り切れてないよ‥‥‥
萩句
萩句
実際、俺の呪術に気付いたのはお前だろ?それで充分だ
呪術‥‥‥ってまさか‥‥‥
咲原 愛
咲原 愛
折り鶴の?
萩句
萩句
ああ
それなら《萩句より》くらいは書いてよ。めっちゃ怪しかったんだから。
咲原 愛
咲原 愛
それで、今まででどこにいたの?
萩句
萩句
何でそんな怒ってんだよ‥‥‥
咲原 愛
咲原 愛
怒ってない!
萩句
萩句
怒ってるじゃねぇか
だって‥‥‥
咲原 愛
咲原 愛
だって、急にいなくなっちゃったんだよ!?
咲原 愛
咲原 愛
心配させないでよ‥‥‥
すると、俯いた私の頭を萩句は優しく撫でた。
萩句
萩句
悪ぃ悪ぃ。何か天界ここが忙しいらしくて収集掛けられたんだよ
咲原 愛
咲原 愛
黙って行くことないじゃん‥‥‥
萩句
萩句
収集は瞬時に天界へ転送される仕組みになってるんだ。言いたくても言えないさ
咲原 愛
咲原 愛
‥‥‥‥‥ばか
萩句
萩句
おいおい‥‥‥言い返せなくなったからってそれはないぞ
咲原 愛
咲原 愛
馬鹿は馬鹿なの!
萩句
萩句
誰が馬鹿だてめぇ‥‥‥
萩句はそんなことを言いながらも、私の頭をずっと撫でてくれている。
司泉
‥‥‥俺の妹、神と結婚するかもな
そうだね‥‥‥
ななな何を言ってんのお兄ちゃん!?
柊も賛同しないで!?
非柿
非柿
咲原さん、顔赤い
咲原 愛
咲原 愛
えっ!?
赤い!?どうして‥‥‥
椿
椿
だれ!?
非柿
非柿
今頃‥‥‥?
夜曇
あっ、お前‥‥‥!!どうしてここに!?
非柿
非柿
あ、君は‥‥‥牢にいた妖怪?
萩句
萩句
夜曇、こいつ誰だ?
夜曇
随批の神使
その瞬間、私と遥、柊、件、お兄ちゃん以外は皆、檜垣くんに警戒を集中させた。
非柿
非柿
怖っ‥‥‥




この後、誤解は直ぐに解けた。

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