禊‥‥‥?何それ‥‥‥
っていうか、
随批、只今ボロ負け中。
皆さん、よそ見してお喋りしながら随批をボロ負けさせるとかどんだけ強くなったんです?
随批が手を上げる。
─────あの爆音がくる‥‥!
‥‥‥ん?
剥奪‥‥‥!?
いや、それよりも、能力剥奪って‥‥!?
随批が手を上げる‥‥‥‥‥が。
能力がいつまでたっても発動しない。
───まさか、能力剥奪って‥‥‥‥
秋句は笑う。
‥‥‥初めて、秋句の笑顔が怖く思えた。
なにこの漫画にいる敵が負けた感。
足を失った遥は、この部屋の隅に座っている。
ふと、咳をしたかと思うと、遥は吐血していた。
彼岸が萩句の顔を覗き込むように問うと、萩句は優しく笑った。
そして、遥の元へ行くと萩句はどこかで聞いたことのある言葉を遥に言った。
────これは私が神使になる時、秋句が言った言葉‥‥‥
そして、少し経つと‥‥‥‥
遥の足が治っていた。
それと同時に、萩句の両足が無くなっていた。
萩句はそう言って、秋句を見上げる。
秋句はふっと笑うと、地面から芽が生え幹が伸びかたと思えば、あっという間にそれは萩句に絡みつき足の形へ変化して、偽足となった。
遥はというと、その様子を間抜けな顔で見ているだけだ。
すると、萩句は遥の足を指差した。
み、禊ってまさか‥‥‥
大地って‥‥そんな大規模の‥‥‥‥
遥は申し訳なさそうに萩句を見たが、萩句は『愛を守った報酬』と言って笑った。
呪術‥‥‥ってまさか‥‥‥
それなら《萩句より》くらいは書いてよ。めっちゃ怪しかったんだから。
だって‥‥‥
すると、俯いた私の頭を萩句は優しく撫でた。
萩句はそんなことを言いながらも、私の頭をずっと撫でてくれている。
ななな何を言ってんのお兄ちゃん!?
柊も賛同しないで!?
赤い!?どうして‥‥‥
その瞬間、私と遥、柊、件、お兄ちゃん以外は皆、檜垣くんに警戒を集中させた。
この後、誤解は直ぐに解けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!