愛たんと夜曇くんが危ない...?
うん。
だって、呪術を使えるのはごく一部の呪術使い...それに、これまでの呪術を使えるのは天界の者だけとされてるんだ。
天界...神がいる所か....。
つまり、天界が関わってくると?
僕は頷く。
この折り鶴が天界から贈られてきたとしたら、神でさえ抑えきれない何かに愛が巻き込まれたことになる。
そんな...
夜曇は、巻き込まれた愛に巻き込まれたと...
ちょ...!!その言い方は!
件は間違ってない。確かに、夜曇は愛に巻き込まれた。
でも...!
今、俺らが仲間割れしてどうする。
すると、柊が俯いた。
ねぇ...司泉.....。
?
何でそんなに冷静なの...?大事な、大切な、大好きな妹が危ないんだよ?
柊は悲しそうな目で司泉を見つめた。
...確かに、僕も思った。
何でそんなに冷静なんだ、と。
愛が危ないのにどうして冷静でいられるのか、と。
けど、司泉は笑って応えた。
冷静でいられるかよ。
でも、どう見たって...
じゃあ、妹が危ない時に取り乱して時間を無駄にするのか?
え....
それで妹に少しでも傷が付いたらどうだ?
そんなの、絶対に嫌だ。
司泉は真っ直ぐな目で応えた。
───────揺るぎない、強い意志の目。
ふむ。少しは見直した。
俺って見直される程評価が低かったんだ...
あはは...
....私、ここら辺探してくる!
まだ、いなくなって間もないからもしかしたら近くにいるかも!!
なら、手分けで探そう。
じゃあ、私はあっち!
我はこっちだ。
僕は向こうで!
じゃあ、俺はそっちだな。
じゃあ、レッツゴー!!
数時間後...
あっ、件!
向こうはいたか?
僕は首を横に振る。
そうか...
すると、司泉が僕らの方へ歩いてきた。
おっ、さっきぶりだな。いたか?
いや、見つからん。
柊も、歩いてくる。
いた?
いや、いなかったよ。
そっかあ...
どうしよう。森が広すぎてきりがない。
─────────あ、
ねぇ、もしかして司泉って呪術使える?
ん?ああ、使える。
.......は?
え、ちょっと、それ先に言ってよ。
てか、何で分かった?
司泉は神である秋句に妖怪にしてもらったから、神に関わってるし....何となく?
何となくで当てやがった。こいつ。
あはは...
んで、俺は呪術が使えるわけだけど、それがどうした?
あ、うん。
さっきの折り鶴みたいに、呪術を使って折り鶴に愛の所へ連れてってもらえないかなーって。
その手があったか...
遥、頭良い...
お前らが馬鹿なだけ。
大うつけに言われる筋合いは無い。
大うつけって何?
大馬鹿って意味だよ...
酷いな、お前ら。
と、取り敢えず!出来る...?
分からない。けど、やってみる価値はあるな。
それなら、まずは折り鶴を折らないと!
そうだね...!
...というわけで折った!
早っ...
ん?何だ?この歪な形...
え?鶴だよ?
ないな。
それはないぞ。
...ないと思う。
えっ!?遥まで...
というわけで折ったぞ。
件こそ何その歪な形!!
ないな。
それはない!
....ないと思う。
遥まで...
というわけで折った。
....
...
...
えっ?な、何で黙った?
司泉の手のひらに乗せられた鶴は、今にも飛び立ちそうな程綺麗な折り鶴だった。
え、何か以外...
見直したぞ...
綺麗...
遥以外の発言が何か酷いな。
司泉はそう言うと、折った鶴に何かを呟いた。
...?
司泉に折り鶴を差し出される。
呪術をかけた。後は動くのを待つだけだ。
あ、ありがとう!
フワッ...
折り鶴が水辺から飛び立つように、フワッと浮いた。
そして、折り鶴が向かった先は────────
え....
空......?
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