第33話

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2019/04/29 03:31
牢獄があった建物から抜けると、そこには市が広がっていた。


傘屋に、和菓子屋、扇子屋や呉服屋が長屋のように並んでいる‥‥なんか、昔の日本の町並みみたいだな。
夜曇
おい、何してる
夜曇
早く隠れろ
夜曇は私の腕を引っ張って、路地裏のような所に入った。
咲原 愛
咲原 愛
それにしても、ここはどこだろうね
夜曇
見た限りだと、今までいたあのド田舎ではないだろうな
咲原 愛
咲原 愛
もしかしたら人間界じゃないかも‥‥‥って、流石にないか
???
天界だよ
咲原 愛
咲原 愛
そっかー、天界かー
‥‥‥‥‥‥‥‥って、あれ?
咲原 愛
咲原 愛
!?!!?!?
私たちの後ろには、一人の男の人が立っていた。
???
そんな驚く?
夜曇
驚かない方がおかしい
夜曇
急に現れてここは天界とか言いだして‥‥
???
あ、全然あやしくないから
いや、あやしいよ。
???
んで、どうして君たちはk‥‥‥
追っ手
いたぞ!路地裏だ!!
突然、追っ手が現れた。

‥‥‥やばい。
夜曇
逃げるぞ!
咲原 愛
咲原 愛
言われなくても分かってる!
私は、夜曇を追いかけて走りだす。

‥‥なんか今日、走ってばかりだな。
???
何で追っかけられてるの?
咲原 愛
咲原 愛
それは脱獄し‥‥‥‥って、えぇ!?
咲原 愛
咲原 愛
何で付いてきちゃってるんですか!?
???
え?何だろ‥‥‥
???
衝動的に?
夜曇
衝動的って‥‥
何なの‥‥この人。
???
‥‥‥‥あ、
急にその人が止まったので、思わず私も止まってしまった。
咲原 愛
咲原 愛
どうしたんですか?
男性は、私たちの前を指差す。
???
前を見てごらん
夜曇
‥‥‥二度目の挟み撃ちってわけか
そう言われて、前を見る。
咲原 愛
咲原 愛
そんな‥‥
追っ手
おっと、さっきの技は使わせないぜ?
追っ手は私の手を掴み、ナイフを首に当てた。
夜曇
くそっ‥‥
追っ手
大人しく同行してもらおうか?
追っ手
神を支配する為に、お前は随批様の嫁となるのだ!
嫁‥‥‥!?
咲原 愛
咲原 愛
そ、そんなの嫌d‥‥‥
追っ手
黙れ
首にナイフを当てられて、すっと血が出てきた。
咲原 愛
咲原 愛
っ‥‥
夜曇
愛!!
どうしよう、どうしよう、このままじゃ‥‥‥


せめて、夜曇だけでも逃げ────────
???
今の話、聞き捨てならないね
‥‥‥‥え?
追っ手
は?誰だ?
???
神を支配する?そんなの、その子がいたって出来ないよ
男性は、私を見た。
???
まあ、出来たとしても、神の上がいるということをお忘れ無く
神の、上‥‥‥?
追っ手
は?何言っ‥‥‥‥‥‥あれ?
???
油断大敵、ですよ?
気付いたら、私は男性の腕の中にいた。
追っ手
いつの間に!?
???
さあ、いつでしょうね?
男性は、怖いくらいに微笑んでいた。
追っ手
し、庶民ごときが生意気なぁぁぁ!!
追っ手は、男性に攻撃を仕掛けた。

けど─────────────
???
鈍い
見事避けられた。
夜曇
お前、一体何者なんだ‥‥‥?
夜曇は質問したが、男性が答える必要は無くなった。
???
あっ!立法りっぽう!!さがしたんですよ?
長屋の屋根から、女の子が男性の名前らしき単語を発しながら降りてきたのだ。
立法
立法
おー、お疲れさん。司法しほう
司法
司法
お疲れさん、じゃないですよ
司法
司法
何やってるんですか
立法
立法
ちょっとトラブってる
司法
司法
トラブって‥‥‥‥あぁ、この状況見て理解しました
司法
司法
で、その女の子放してあげてください。変態
立法
立法
最後の酷くない?
司法
司法
変態は変態です
立法さんは、司法さんに言われて私を放した。
咲原 愛
咲原 愛
あ、あの‥‥‥
???
あー、いたー
立法
立法
おっ、行政ぎょうせい
行政
行政
めんどいからはよ来て
立法
立法
すまん、今は無理
追っ手
お、おい‥‥
追っ手
立法と司法と行政って‥‥まさか‥‥‥!!
追っ手
神祓い師!!
司法
司法
え、今更?
神祓い師‥‥?
行政
行政
うわぁ、くそ面倒いことになってる‥‥
立法
立法
行政がアレ・・をしてくれたらすぐに終わる
アレ・・‥‥‥?
行政
行政
えぇ、あれ体力消耗激しいんだけど‥‥‥
追っ手
な、何を話している!
追っ手
神祓い師とはいえど、我らを倒すことは不可能だろ!!
追っ手はそう言って、私たちに襲いかかろうとした。

けど─────────
司法
司法
立法に近付くな
司法さんが手から何かを投げて、それが追っ手の顔に擦った。
司法
司法
今は外してあげたけど、次は当てる
立法
立法
司法、殺気抑えようね
司法
司法
無理です
立法
立法
おお、そうか
司法が投げたのは‥‥‥‥かんざし
追っ手
っ‥‥‥
立法
立法
んで、行政、命令だ
行政
行政
‥‥‥‥
行政
行政
‥‥‥‥はぁ‥‥いいよ
行政さんは、溜息を吐いてから地面に手を置いた。
行政
行政
どこ連れてく?
立法
立法
ともえの所
行政
行政
りょーかい
すると、辺りに魔法陣のような、でも札に書かれたような、そんな模様が地面に浮かび上がった。
夜曇
!?
立法
立法
こいつら、俺らが連れてくから安心‥‥‥は出来ないか。まあいいや、とりあえずここでお別れだ
立法は、私と夜曇を見つめた。
咲原 愛
咲原 愛
‥‥‥は、はい。助けていただいて、ありがとうございます
夜曇も、一礼をする。

すると、立法さんは笑って追っ手たちと共に消えていった。
夜曇
消えた‥‥‥
咲原 愛
咲原 愛
なんか、すごいね
夜曇
ああ
嵐のような、人たちだった。

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