第6話

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2022/02/05 05:58
陽炎パレス四日目

大広間に、『灯』のメンバーが集められた

クラウスがやってきて少女達と少年の前に堂々とした態度で直立する

腕組みをして、目を閉じて、黙り込んで十秒
クラウス
クラウス
さて、見ての通りだ
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
なにが?
白髪の少女が凜然と尋ねる
クラウス
クラウス
謝罪だ
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
見えねぇよ
クラウス
クラウス
告白しよう
実を言えば、僕は、スパイチームのボスも教官も初めてだ
灯
...
あ、謝らないんだ
クラウス
クラウス
意外だろう?
僕が未熟ゆえに、お前たちに不必要な心配をさせたようだ
すまなかった
今後は、僕に話せる限りの情報を開示したい
質問あるなら聞くといい
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
じゃあ、二つ
白髪の少女が手をあげた
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
アンタは何者なんだ?
クラウス
クラウス
それは言えない
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
あたしたちが選ばれた理由は?
クラウス
クラウス
それも言えないな
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
【百鬼】のジビア(ヒャッキ)
くたばれ
そんな会話をしている2人の元に緑髪の少年が歩み寄り、クラウスに向かって言葉を放つ
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
へ〜?そんなこと言っちゃってぇ、どうせクラウス先生も"女の子が大好き"で『全員僕の嫁にしよう』とか考えてるんでしょ〜?
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
キャー、ド変態っ!
クラウス
クラウス
断じて違う
クラウス
クラウス
お前は何故そんな思考になる?
クラウス
クラウス
お前の方がド変態だと思うが?
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
正論!
クラウス
クラウス
そうだ、スパイが開示できる情報は限られている
僕は開示したいが、語れる秘密は乏しい
しかし、それでも信頼関係を築かなくてはならない
それがスパイチームだ
出来るのは意志表明だが、それで納得してくれ
お前たちは捨て駒ではない
僕が、死なせない
約束する
もしお前たちが一人でも命を落とした場合、その時は僕も自死するさ
【草原】のサラ(ソウゲン)
【草原】のサラ(ソウゲン)
で、でもっすよ?
茶髪の少女が気弱な声で呟く
【草原】のサラ(ソウゲン)
【草原】のサラ(ソウゲン)
実際問題、自分たちは落ちこぼれなわけで不可能任務なんて____
クラウス
クラウス
分からないな
【草原】のサラ(ソウゲン)
【草原】のサラ(ソウゲン)
へ?
クラウス
クラウス
どうしてお前たちは、自分たちを『落ちこぼれ』と形容する?
【草原】のサラ(ソウゲン)
【草原】のサラ(ソウゲン)
そ、それは...
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
そんなこと、聞かなくても分かるでしょ、養成学校で滅茶苦茶酷い目にあって『落ちこぼれ』とバカにされた、だから俺ら...俺は落ちこぼれなんだよ
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
アンタには『落ちこぼれ』の気持ちなんて分かんねぇよ?
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
アンタは【世界最強のスパイ】俺らは【落ちこぼれ】真逆すぎんだろ?はっ...笑えてくるわ
クラウス
クラウス
そうか
クラウスは緑髪の少年の頭を撫でた
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
はっ?
クラウス
クラウス
よく逃げなかったな
クラウス
クラウス
養成学校その場所から
緑髪の少年はクラウスの手を振り払い
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
逃げたら負けたような感じするだようが!
【深淵】の(なまえ)(シンエン)
【深淵】のあなた(シンエン)
ってか頭撫でんじゃねぇ!!
クラウス
クラウス
_____伝えておくと、『灯』のメンバーを選任したのは僕だ
養成学校に赴き、僕自らスカウトした
お前たちは無限の可能性を秘めている
人間の評価など、所属する集団でいくらでも変わる
養成学校では落ちこぼれだろうが、『灯』では___全員、極上だ
クラウス
クラウス
そして、お前たちを高める方法は既に思いついた
クラウスは黒板に大きく文字を書き込んでいく
  簡潔な一文

『僕を倒せ』
クラウス
クラウス
さて
クラウスはチョークを放り投げる
クラウス
クラウス
後は自習だ
かくして始まるのだ


少年少女たちの騙しあいの教室が_____

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