陽炎パレス四日目
大広間に、『灯』のメンバーが集められた
クラウスがやってきて少女達と少年の前に堂々とした態度で直立する
腕組みをして、目を閉じて、黙り込んで十秒
さて、見ての通りだ
なにが?
白髪の少女が凜然と尋ねる
謝罪だ
見えねぇよ
告白しよう
実を言えば、僕は、スパイチームのボスも教官も初めてだ
...
あ、謝らないんだ
意外だろう?
僕が未熟ゆえに、お前たちに不必要な心配をさせたようだ
すまなかった
今後は、僕に話せる限りの情報を開示したい
質問あるなら聞くといい
じゃあ、二つ
白髪の少女が手をあげた
アンタは何者なんだ?
それは言えない
あたしたちが選ばれた理由は?
それも言えないな
くたばれ
そんな会話をしている2人の元に緑髪の少年が歩み寄り、クラウスに向かって言葉を放つ
へ〜?そんなこと言っちゃってぇ、どうせクラウス先生も"女の子が大好き"で『全員僕の嫁にしよう』とか考えてるんでしょ〜?
キャー、ド変態っ!
断じて違う
お前は何故そんな思考になる?
お前の方がド変態だと思うが?
正論!
そうだ、スパイが開示できる情報は限られている
僕は開示したいが、語れる秘密は乏しい
しかし、それでも信頼関係を築かなくてはならない
それがスパイチームだ
出来るのは意志表明だが、それで納得してくれ
お前たちは捨て駒ではない
僕が、死なせない
約束する
もしお前たちが一人でも命を落とした場合、その時は僕も自死するさ
で、でもっすよ?
茶髪の少女が気弱な声で呟く
実際問題、自分たちは落ちこぼれなわけで不可能任務なんて____
分からないな
へ?
どうしてお前たちは、自分たちを『落ちこぼれ』と形容する?
そ、それは...
そんなこと、聞かなくても分かるでしょ、養成学校で滅茶苦茶酷い目にあって『落ちこぼれ』とバカにされた、だから俺ら...俺は落ちこぼれなんだよ
アンタには『落ちこぼれ』の気持ちなんて分かんねぇよ?
アンタは【世界最強のスパイ】俺らは【落ちこぼれ】真逆すぎんだろ?はっ...笑えてくるわ
そうか
クラウスは緑髪の少年の頭を撫でた
はっ?
よく逃げなかったな
養成学校から
緑髪の少年はクラウスの手を振り払い
逃げたら負けたような感じするだようが!
ってか頭撫でんじゃねぇ!!
_____伝えておくと、『灯』のメンバーを選任したのは僕だ
養成学校に赴き、僕自らスカウトした
お前たちは無限の可能性を秘めている
人間の評価など、所属する集団でいくらでも変わる
養成学校では落ちこぼれだろうが、『灯』では___全員、極上だ
そして、お前たちを高める方法は既に思いついた
クラウスは黒板に大きく文字を書き込んでいく
簡潔な一文
『僕を倒せ』
さて
クラウスはチョークを放り投げる
後は自習だ
かくして始まるのだ
少年少女たちの騙しあいの教室が_____
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!