第56話

ハルに勝てない(たいはるr18)
1,227
2021/07/04 15:32
うとうと微睡むハルを抱き寄せて、額にキスした。寝落ちしかけていたハルがふにゃっと笑った。
太我
太我
(………可愛い…)
髪を撫でながら昼間の喧嘩を思い返した。なんだかいっつも俺が折れている気がするのは気のせいだろうか。泣いてるハルは可愛くてかわいそうで怒る気になれないし、怒ってるハルはめちゃくちゃ怖くて反撃する気にならないし。とにかくいつも俺が負けてる気がする。
太我
太我
………ハル
晴人
晴人
ん~?
太我
太我
お前さあ…怒ったらめっちゃ怖いよな…
晴人
晴人
えーそんなことないよぉ
太我
太我
あるだろ、今日めっちゃ怖かった
晴人
晴人
え〜
眠いのか適当な返事しか返ってこない。泣いてしまった俺がかわいそうだとは思わないのか。俺は喧嘩でハルを泣かせちゃったら三日は構い倒すぞ。
もう一度、今度は頬にキスした。かまって、という意思表示だったけど、ハルはもううんともすんとも言わない。
太我
太我
………
静かな寝息を聞いて妙に悔しくなった。ハルの背中に回した手をゆっくり下半身に移動させた。
ハルに勝ちたい。今日こそ勝ちたい。めちゃくちゃに泣かせて鳴かせてごめんなさいって言わせてやる。
太我
太我
ハルー…
小さな声で名前を呼んでも反応はない。まあ寝てられるのも今のうちだ。ハルの尻を揉みしだきながら耳を噛んだ。
晴人
晴人
んっ…
ぴくんとハルの体が跳ねた。しかしハルの目は開かない。依然いい寝顔だ。
今度はハルのパンツの中に手を突っ込んだ。ジムに通ってるというのにこいつの尻はなんでこんなに柔らかいんだ…とか余計なことを考えながら、徐々に孔に手を這わせていく。
晴人
晴人
んん……ぅ
太我
太我
ハル…早く起きないと犯すよ?
晴人
晴人
ぁ、ん
太我
太我
おーい
全然起きそうにないからそのまま指を突っ込んで、中を弄りながらキスした。
晴人
晴人
ん……ふ、っ
太我
太我
………
いやほんとに起きないな???

一度寝たら起きないタイプなのは知ってるけど、この状態でも起きないんだ。こんなに起きなくて、俺以外の奴に襲われたらどうするんだ。まあ絶対そんなことさせないけど…
太我
太我
起きろって…いれるよ?ハル?
晴人
晴人
んー!
さすがに寝たまま突っ込むのはかわいそうかなと肩を揺すったが、普通に振り払われた。流れで寝返りを打ち、俺の胸に頭を擦り付けてきた。
晴人
晴人
たいが…
太我
太我
俺の夢でも見てるんだろうか。若干緩んでる頬が可愛くて、ついこんなバカなことやめようかと指を抜きかけた。だけど、ここで退いたらいつも通りになってしまう。今日の俺はいつもとは違うんだ。今日こそは仕返しするという意志を貫き通すぞ。
太我
太我
よし…
十分ほぐれたのを確かめて起き上がった。寝てるくせに、離れるまいとハルの手は俺のシャツを握っている。クソ可愛い。ふざけんな。
ハルの可愛さに負ける前にと心なし急いで下を脱がせた。俺も脱いで、反り立つ自分のソレと純真無垢なハルの寝顔を見比べて背徳感に震えた。
太我
太我
……ハル…ほんとにいれるよ?起きるなら今のうちだよ?ハル?
晴人
晴人
……………たぃが…
返事のようにハルが俺の名前を呼んだ。それはもういれていいってことでしょうか。

孔にペニスをあてがい、心の中で謝ってから一息に突っ込んだ。
晴人
晴人
んぁっ
いつもよりだいぶ控えめな喘ぎ声に、起きないのかとなぜかほっとしたところで、ハルのまぶたがゆっくり瞬いた。
太我
太我
晴人
晴人
……?たいが……?何してんの…?
太我
太我
い、いや、
晴人
晴人
ねよーよぉ…となりきて…はやk……
そこでぼんやりしていた顔がいきなり強張った。俺を見て自分を見てもう一度俺を見て、目を見開き口をわなわな震わせている。やっと意識がはっきりしたらしい。
晴人
晴人
はっ…!?は!?は!?
太我
太我
あー…悪いけど、そういうことだから
晴人
晴人
いやいやいやどういうこと!?は!?
太我
太我
動くね
晴人
晴人
いやダメまっあぁん♡
奥を擦ったら一瞬で声が蕩けた。その声でタガが外れて、一気にピストンを速めた。
晴人
晴人
あっ、ぁ、ぁ、ぁ、や、あ♡た、ぁひ、たい、が♡
太我
太我
よかった…気持ちよさそーだね
晴人
晴人
いや、ちが、ちがぁ♡やら♡やらの♡
太我
太我
でもハル、腰振ってるよ?
ギリギリまで抜いて一気に突いてを繰り返す。ぱちゅんとイヤらしい音が鳴り、ハルが恥ずかしそうに枕で顔を隠した。
太我
太我
それどけて
責めるように前立腺を擦った。ハルの腰が浮いてびくびく震えて中が収縮した。それでもハルは枕をしっかり押さえている。くぐもった喘ぎが隙間から漏れた。
晴人
晴人
んっ……っ、っ、ぅ
太我
太我
苦しいだろ?取れって…
晴人
晴人
やっ、やだっ、やだ!
枕を引っ張ったら簡単に奪えた。何をそんなに隠したいんだか。アヘ顔とかいつも通りだし、むしろ寝起きのせいかちょっと抑え気味だし。てか顔なんかいつも見られてるじゃん。
よくわかんないなーと思いつつハルをうつ伏せにして、バックの体勢でいれた。顔を見られたくないハルへの俺なりの気遣いだった。だけどハルの声は快感とは違う感情を帯び始めた。
晴人
晴人
やだぁ……ぅ、も、や…
太我
太我
は、ハル?
晴人
晴人
ばか、やだって…ぬいてよぉ……
気持ちいいからとかじゃなくて本気で泣いていた。慌てて抜いたら、ハルの体から力が抜けた。
太我
太我
ハル……?
晴人
晴人
なんで……ね、ねてる、ときに、
太我
太我
や、かまってほしくて…起きないから……
昼間の喧嘩の反撃をするつもりでした、とか本当のことは言えるはずがなく、ついそう言ってしまった。でもまあ嘘じゃないしと言い訳しながらハルを抱きしめた。
太我
太我
ごめん…
晴人
晴人
こわかった
太我
太我
うん、ごめん
晴人
晴人
たいがは、せっ、せっくすできれば、なんでもいいの?
太我
太我
え!?違うって!そんなんじゃなくて
晴人
晴人
ばか!
太我
太我
う…ほんとにごめんなさい…
よしよししたら盛大な泣き声とともに抱き返された。結局俺はまだ一回もイケてないし、またハルに謝っている。多分一生勝てないんだろうなとハルの頭を撫でながら苦笑した。
晴人
晴人
ばかぁ…!
太我
太我
ごめんって
でもそれでいいかって思ってしまうぐらいには、俺はハルにベタ惚れなんだ。

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