中村side
俺と閑也とちゃかで松倉の家に行った時だった。
そう言って松倉が出ていった。
閑也が勝手に見つけてきた封筒には1冊のノートが入っていた。
ノートを開くといきなりたくさんの文字があった。
手と手
手を繋ぎたい
でも手を繋げない世界
儚さともどかしさが 僕を離してくれない
こんな時こそ 青空を生きて歩もう
また君と出逢える為 綺麗な手を握る為
逞しくなるさ もっと輝けるさ
必ず迎えに行くから
だからその日まで 笑顔絶やさないで 待っていてね
逢いたいと思う気持ちが募っていく
僕は君なしでは生きられない
磨いて 彩って 今を生きる
手を繋げる日が来たら
また愛し合おうね
次のページにはギターのコードが書かれていた。
俺には分かったよ。これを松倉がどんな気持ちで誰を想って書いたのか。
松倉はきっと見られたくなかったんだろうなぁ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。