第24話

君が寝ないと朝は来ない
630
2020/06/01 14:00
あなた
き、君!どうしたの!?
こんな時間に!
私は慌てて男の子の方へ駆け寄る
男の子
そ、外が騒がしくて、
目が覚めちゃって、、、
男の子
あの人は何をしてるの?
男の子が言う「あの人」は、宇髄さんだった
あなた
見えない鬼と戦ってるの
男の子
今度こそ
お、鬼を退治してくれるっ??
あなた
うん!絶対倒すからさ、安心してよ
男の子
わ、わかっ
あなた
っっ!?!?
男の子が返事をし終わる直前、


背中の右下から左上にかけて激痛がはしる


爪だ、、鬼の爪、、、
ふふっ
宇髄天元
っ黒雷!!!
なんて速さなの、、、
皮膚が感知するのが追いつけなかった







痛い、、、









男の子
だ、大丈夫!?
すごい痛そうな顔してるけど、、
あなた
う、うん。大丈夫、大丈夫
男の子への返答に「大丈夫」と言ったけど、
なんだか自分に言い聞かせてる気がした


痛くない、痛くないと
あなた
ほら、危ないからお家に入りな?
朝になれば鬼は跡形もなく消えてるから
あなた
でもね?君が寝ないと朝はこない
あなた
だからちゃんと寝るんだよ、ね?
男の子
うん、わかった




家に入ったのを確認して、玄関を閉める






さぁ、斬ろう






あなた
よくも背中をやってくれましたね
あなた
ものすごく怒ってます。痛いです。
ふふっそうか、そうかい
そのくらいが面白いさ



背中の痛みは考えないようにしよう
ただ斬ることだけを 考えよう




あなた
あ!そうだ!宇髄さん!
あなた
この鬼とっても爪が鋭いです!
気をつけて!
宇髄天元
わかってるわぁ!!


あ、ご存知ですよね。




そろそろ遊ぼうか
血鬼術
無月夜行むつきよいき
あなた
!!
地面が海のように青くなる

そして、亀が浮かび上がったかと思えば泳ぎ回る

宇髄天元
踏まない方が良い!
あなた
そうですね!
亀を踏まないように地面を駆け回る











流石、柱は違うね
でも数を増やせばいいこと
血鬼術
無月夜行

『 サァァ 』
あなた
っっ!!
なんて数!


気持ち悪い程のたくさんの亀


もはや水面なんか見えない
これを避けてたら首を斬れない!
どんどん鬼から離れていく感覚






あなた
えっ、






しまった
踏んじゃった
着地先に亀が泳いできて
亀を踏んだ


あなた
!?
引っかかったね
見えない何かに引き寄せられてく
地面をするすると滑っていく
変に動いたら体勢を崩して転んでしまいそう


どんどん鬼の気配が強くなってく
どうしよう、まずい


考えなければいけないのに頭が考えることを放棄しだした















宇髄天元
音の呼吸
宇髄天元
伍の型
宇髄天元
鳴弦奏々!








宇髄さんの声と同時に響き渡る爆発音
プツンと何かが切れたような感覚がして、
引っ張られる力が無くなった




宇髄天元
引っかかってんじゃねぇよ!
あなた
すみません!ありがとうございますっ


あぁ、私は助けてもらってばかりだ
役に立てない


悔しくて、唇を噛む


刀をより一層強く握る








くそっ
焦ったような鬼の声に反応して見てみると、




暗闇でも光る銀髪に、
乙姫のような姿をし、
手首に金の輪をたくさんつけた
“ 鬼 ” がいた









切れたっ

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