(Sakuma)
俺、最近気づいた。
阿部ちゃんの事が好きなんだなって。
阿部ちゃんが他の人と仲良さげに話してるのを見ると嫉妬するし、ひとつひとつの仕草をいちいち意識して見てしまう。
この前も
って言われたし…。
あーあ、初恋が男の人って俺も大変だなぁ笑
なんて思いながら今日も第一理科室の扉を開ける。
授業で分からなかったとことかを教えてもらう。阿部ちゃんと二人きりの時間で、この時間が1日で1番楽しいと言っても過言ではない。
この前、赤点ばっかりだったからね笑
俺が聞くと、作業をしていた手を止めてゆっくり教えてくれるからほんとに分かりやすい。
こっちを見ながらそういう阿部ちゃん。
阿部ちゃんがそう言ってくれたら俺、頑張れそう!
テスト期間だしクイズ研究会は無いから学校を出て駅まで歩く。
電車に乗っている間もテキストを読み返したりして、とにかく阿部ちゃんに褒めてもらいたい一心で勉強を頑張った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。