(Sakuma)
阿部ちゃんと夏祭りに行けると思うと、楽しみで仕方がなくって、いつもは遅刻しがちな俺だけど、今日は予定よりも15分早くついちゃって、阿部ちゃんを待つ。
時計を見れば集合時刻の5分前で、やっぱり阿部ちゃんはしっかりしてる人だね。
だんだんと暗くなってくる空を見ながら二人で歩く。しばらくすると人が集まりはじめて、一気ににぎやかになる。
阿部ちゃん、可愛い顔立ちしてるから高校生って言ってもバレないよ。多分。笑
なんて、不服そうな顔をしながらもついてきてくれる阿部ちゃんはマジで優しい人なんだろうねぇ。
佐久間さんなんか感心しちゃったよ笑
阿部ちゃんが指差した先にあるのは、ふわふわした犬のマスコット。
無理かも、なんて言ってたけど、なかなか当たらない俺とは対象的に、見事にマスコットをゲットしてみせた阿部ちゃん。
話しながら歩いてたら、食べ物屋さんがたくさん並んだ道に出る。
お互いに食べたい物が売ってるお店に並んで順番を待つ。俺は焼きそば。阿部ちゃんはたこ焼きを買ってベンチに座る。
お互いお腹を満たしたところで、そろそろ花火の時間。阿部ちゃんいわく、人が少なくて見れるって言うところがあるらしい。
なんかめっちゃ楽しみになってきた!笑笑
といい、どこかへ駆けていった阿部ちゃん。
どうしたものかと思ったら、両手にチョコバナナを持って帰ってきた。
久しぶりにチョコバナナ食べたけど、めっちゃ甘いね、これ。笑
ちらっと横を向けば、なんとも幸せそうな顔でチョコバナナを頬張る阿部ちゃんの姿があった。
やっぱり可愛い。そんじょそこらの女子よりも圧倒的に可愛いわ。
ゴミを捨ててまた花火のスポットまで歩く。
阿部ちゃんの方にぎゅっと肩を寄せたら、
と突き放される。
ほんとツンデレだよね!でもそういうとこも好き。
しばらく歩けば、花火がキレイに見えるスポットまでたどりついた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!