泣きながら
廊下を駆け抜けた。
階段が見えてくる。
階段を上がったら
久しぶりに行く、あの場所だ。
手すりを掴むと
道枝くんの声がした。
ふと、上を見上げると
道枝くんが
屋上の手前の階段に
いつものように座ってた。
道枝「......せん...ぱい...??」
道枝くんは私を見て
立ち上がった。
『なんで居るん?』
道枝「教科の先生休みで、この時間自習なんですよ。」
『へぇ~』
道枝「先輩こそどうしたんですか」
『どうもしてへんよ』
道枝「え、でも泣いてますよね、?」
『いいのッ!!』
涙でびちょびちょの頬を
慌ててぬぐってから
階段を上がってく。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。