第7話

7th
50
2021/01/30 07:45
次の日。
私は個展の会場である家の近くのギャラリーでみんなを待っていた。


今日は國久先生も来るみたいなので
昨日の話の返事をしようと思っている。

(侑くんにこの話…いつしよう…)
印藤 寧々
印藤 寧々
希望!
西宮 希望
西宮 希望
寧々!
宮 治
宮 治
おいツム!しっかりせえや!
宮 侑
宮 侑
なんやねん!うっさいわ!
西宮 希望
西宮 希望
あ、侑くん…っ!
宮 侑
宮 侑
ああ、希望か
少しだけ恥ずかしそうにしている彼。
でもいつもより少しだけそっけないと感じてしまった。

(あれ、いつも…こんなんやっけ…)
西宮 希望
西宮 希望
あ、ゆっくりしてってな
印藤 寧々
印藤 寧々
うん、ありがとう
宮 治
宮 治
ツムあんま騒ぐなよ?
宮 侑
宮 侑
分かっとるわ
西宮 希望
西宮 希望
あ、写真とか
自由に撮って大丈夫やから…
印藤 寧々
印藤 寧々
うん!
私はみんなを中に案内して國久先生を待った。
真島 琥太郎
真島 琥太郎
よ!
西宮 希望
西宮 希望
コタ!!
コタとコタのお母さんが来た。
コタのお母さんが父に会いたいと言っていたので
コタのお母さんを、父のところへ連れて行き、
コタは侑くんたちと合流させた。
宮 治
宮 治
あ、れ真島やん
真島 琥太郎
真島 琥太郎
おう!
宮 侑
宮 侑
なんでお前来てんねん!
真島 琥太郎
真島 琥太郎
いや、希望の幼馴染やし
親同士仲良いし
おかんの付き添いみたいな感じ
宮 侑
宮 侑
ほお〜ん
侑くんは少しニヤっとしていた。

(え、なになに…?なんでニヤってしてんの)











この間2年ズの話をたまたま聞いてしまった時、侑くんは私のことを"友達としてしか見れない"と言っていた。

それに、コタの気持ちも知っている。

それを分かって、あんな顔をしていたのだろうか。


私がそんなことを考えていると…
國久 絵梨花
國久 絵梨花
希望さん
國久先生に声を掛けられた
西宮 希望
西宮 希望
先生!
國久 絵梨花
國久 絵梨花
昨日の事なんやけど
西宮 希望
西宮 希望
あ、はい。
あの、父の所へご案内します
國久 絵梨花
國久 絵梨花
ありがとう
私は、國久先生と一緒に父の所に行った。










_________________________

miya atsumu side ...
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インハイ予選が終わった次の日
俺は希望にチケットを渡されて
希望の父の個展に来た。

治と寧々ちゃんについてきたって感じやけど。
印藤 寧々
印藤 寧々
はぁ…
宮 治
宮 治
どうしたん
印藤 寧々
印藤 寧々
いや、まあ前話したやん?希望のこと
治と寧々ちゃんがそういうことを話していた。
希望のことについてだった。

まあ俺は、希望の事友達としか思ってへんけど。
宮 治
宮 治
なあツム
宮 侑
宮 侑
お?
宮 治
宮 治
もし、めっちゃ仲ええ子が
海外とか行くって言うたらどう思う?
宮 侑
宮 侑
はあ?なんやねん急に
宮 治
宮 治
ええから、答えてや
印藤 寧々
印藤 寧々
どう、思う?
宮 侑
宮 侑
寧々ちゃんまで
さっき希望と國久先生が、希望の父親のところに行った。
それと関係あるのだろうか。
宮 治
宮 治
どうなん
宮 侑
宮 侑
そりゃ、寂しいけど
宮 治
宮 治
え?
印藤 寧々
印藤 寧々
え?
宮 侑
宮 侑
へ?
治と寧々ちゃんはとぼけたような返事をした。
宮 侑
宮 侑
いや、寂しいやろ
宮 治
宮 治
いや、そんだけなん?
なんかもっと、こう…
好きな子とかでもそんだけで終わらすん?
好きな子、なんて俺にはおらん
宮 侑
宮 侑
好きな子…なんておらんからな、俺
とは、言ったけど
俺の脳裏にはある人が浮かんでいた。

(希望…)
希望は俺の事を"友達として"好きだと言った。
多分その日から、俺は希望の事を意識している。















でも、希望は"ただの友達"…
しかも真島の好きなヤツ。

そんなの、俺は邪魔できない。















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俺がそんな事を考えていると
希望と國久先生の声が聞こえてきた。
國久 絵梨花
國久 絵梨花
希望さん、寂しくなるわね
西宮 希望
西宮 希望
そう、ですね。
寂しいですけど、私の夢でもあるので
國久 絵梨花
國久 絵梨花
そっか。希望さんなら上手くやってけると思う
西宮 希望
西宮 希望
…イギリス行っても私の事忘れないでくださいね
國久 絵梨花
國久 絵梨花
もちろん!何かあったらいつでも連絡してきなさい
__________ 希望が、イギリスに?

そんなの聞いてない。
しかも、相談もしてくれんかった。

なんで、俺には…?
さっきのサムたちの話もこの事を知ってたから?















そんなん、絶対嫌や
希望がイギリス行くとか、俺は反対や。


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miya atsumu side end...
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父と國久先生と3人で話をして
正式にイギリス留学が決まった。

そして、出発日も決まった。
3月20日
高校2年生最後の登校日に出発となった。














3月20日は私の誕生日でもある。
それまでにどうにかして侑くんにこの話と私の想いを伝えなければならない。
でも、侑くんに伝えるのはとても勇気がいる。
怖いんだ。離れることが。
こんなに"好き"って気持ちが大きくなってしまってるから。
離れたくないんだ。


私は國久先生と下の階に下りた。
そこに侑くんがいた。
宮 侑
宮 侑
希望
少し怒りが混ざった声に聞こえた。
何か怒らすようなことをした覚えはない。
西宮 希望
西宮 希望
あ、つむ、くん?
宮 侑
宮 侑
ちょっと、話あんねんけど
西宮 希望
西宮 希望
あ、でも…
今日は父の手伝いで来ているため
外には出れない。

答えに迷っていると父が1時間くらい休憩して来なさいと言ってくれた。

私は侑くんと2人で外に出た

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