次の日。
私は個展の会場である家の近くのギャラリーでみんなを待っていた。
今日は國久先生も来るみたいなので
昨日の話の返事をしようと思っている。
(侑くんにこの話…いつしよう…)
少しだけ恥ずかしそうにしている彼。
でもいつもより少しだけそっけないと感じてしまった。
(あれ、いつも…こんなんやっけ…)
私はみんなを中に案内して國久先生を待った。
コタとコタのお母さんが来た。
コタのお母さんが父に会いたいと言っていたので
コタのお母さんを、父のところへ連れて行き、
コタは侑くんたちと合流させた。
侑くんは少しニヤっとしていた。
(え、なになに…?なんでニヤってしてんの)
この間2年ズの話をたまたま聞いてしまった時、侑くんは私のことを"友達としてしか見れない"と言っていた。
それに、コタの気持ちも知っている。
それを分かって、あんな顔をしていたのだろうか。
私がそんなことを考えていると…
國久先生に声を掛けられた
私は、國久先生と一緒に父の所に行った。
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miya atsumu side ...
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インハイ予選が終わった次の日
俺は希望にチケットを渡されて
希望の父の個展に来た。
治と寧々ちゃんについてきたって感じやけど。
治と寧々ちゃんがそういうことを話していた。
希望のことについてだった。
まあ俺は、希望の事友達としか思ってへんけど。
さっき希望と國久先生が、希望の父親のところに行った。
それと関係あるのだろうか。
治と寧々ちゃんはとぼけたような返事をした。
好きな子、なんて俺にはおらん
とは、言ったけど
俺の脳裏にはある人が浮かんでいた。
(希望…)
希望は俺の事を"友達として"好きだと言った。
多分その日から、俺は希望の事を意識している。
でも、希望は"ただの友達"…
しかも真島の好きなヤツ。
そんなの、俺は邪魔できない。
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俺がそんな事を考えていると
希望と國久先生の声が聞こえてきた。
__________ 希望が、イギリスに?
そんなの聞いてない。
しかも、相談もしてくれんかった。
なんで、俺には…?
さっきのサムたちの話もこの事を知ってたから?
そんなん、絶対嫌や
希望がイギリス行くとか、俺は反対や。
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miya atsumu side end...
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父と國久先生と3人で話をして
正式にイギリス留学が決まった。
そして、出発日も決まった。
3月20日
高校2年生最後の登校日に出発となった。
3月20日は私の誕生日でもある。
それまでにどうにかして侑くんにこの話と私の想いを伝えなければならない。
でも、侑くんに伝えるのはとても勇気がいる。
怖いんだ。離れることが。
こんなに"好き"って気持ちが大きくなってしまってるから。
離れたくないんだ。
私は國久先生と下の階に下りた。
そこに侑くんがいた。
少し怒りが混ざった声に聞こえた。
何か怒らすようなことをした覚えはない。
今日は父の手伝いで来ているため
外には出れない。
答えに迷っていると父が1時間くらい休憩して来なさいと言ってくれた。
私は侑くんと2人で外に出た
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。