あなたside
「廉くんってめっちゃかっこよくない!?」
「ねね!あなた!廉くんの連絡先教えて!」
「廉くんと会ってるんでしょ?応援してます!って言っといてくれない!?」
「あなた〜!これ廉くんに渡しててほしいんだけど!」
あーぁ...............
受け取ってしまった...。
連絡先が書かれたメモ紙
嫌なのに......なんで受け取るのか自分でも分からない
その場で捨てる訳にもいかず、しぶしぶカバンの中に入れる
最近私のまわりはこればっかり、、、
学校の女友達とか、撮影現場にいるモデルさん、女優さん、タレントさん達から聞きすぎてホントに耳が痛い
一体どれだけの女子を虜にしてるんだ、あの人は
あの〜みなさん分かってますか?
私が廉くんの彼女って事
それを分からないで言ってるのか、
分かってて言ってるのか、
ちゃんと公表してるんだけどな...
まさか...「彼女いたって関係ねぇ!!」っていう方達!?!?
それに、この前楽屋前通路を歩いていたら、1人の男性が何人かの女性に囲まれてた
嫌な予感は的中、やっぱりレンナガセ
廉くんめっちゃ優しいし、かっこいいし、そりゃもう女性ウケ抜群って事は分かってるんだけど...
廉くんは私の彼氏だよ、
大好きなんだよ、
くだらない嫉妬心のおかげで、私の心は大ダメージ
それに今日、テスト返却されて、またまた心に大ダメージ、、
まぁ簡潔に言うと、やばかったです笑笑
ギリギリ赤点回避したからまだ良かったけど...
ピロン
―――LINE―――
Σ(・ω・;)ギクッ
すんごいタイミングで廉くんからのLINE
すごいな...廉くん分かってる、笑
テストの点数最悪だったけど、久しぶりに廉くんの家でお家デートだから、ちょっとだけテストに感謝
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廉くんとのお家デートまでの間も、廉くんは間接的に私を嫉妬させてくる
もう会わなきゃ耐えられない。
だけど会えないのが現実で...
廉くん不足にさせられて迎えた土曜日
直前までお仕事をして、マネージャーさんに送ってもらった
ピンポーン
なんだか緊張しながらインターホンを押す
廉くんがドアを閉めると、すぐ廉くんに顔をうずめた
と言いながら私の頭を撫でてくるもんだから、たまったもんじゃないよぉ(/// ^///)
そう言って、私の背中に腕をまわす
何もかもが廉くんの匂いに包まれて、私の心を癒してく
幸せだぁ、、、
チュッと軽く頬にキスをされ、手を繋いで連れていかれる
廉くんと会ってまだ数分なのに、こんなにも私を照れさせる
さすが恋愛マスターレンナガセだ、!
廉くんは現役大学生で頭良いから、教え方がすんごい分かりやすい
こんなバカのために教えてくれて本当に感謝してる
まぁそれなりに勉強して、少し休憩
部屋から廉くんが出ていった
それと同時にカバンから紙を取り出す
実は私......持ってきちゃったんだよ......この前もらった連絡先が書かれたメモ紙
どうしようか?と紙を見つめながら考えてたら、廉くんが飲み物を持って入ってきたので、急いで隠した
マグカップを2つ持ってきて、その1つを私の前に置く
私がまだコーヒー飲めないの分かってて、自分にはコーヒー、私にはココアを持ってきてくれた
やっぱり分かってたか〜
無くしたふりでもしようと思ったけど、隠したのバレたし、何よりもそんな事したら私の負けだって思って
勢いで渡してしまった
と言いながらも、どこか嬉しそうな顔でメモ紙を見つめる
まさか......連絡したりしないよね...?
なんて思ってたら、廉くんがスマホを取り出した
スラスラと指が動くなか、
ぎゅっ
無意識...
ホントに無意識に、廉くんの腕を掴んでた
不意に思いついた名案だと思ったんだけど、そんな名案はことごとく斬られる
もう何を言えば良いのか分からず、あきらめて腕を掴んでた手を離した
少しバカにするように笑う廉くんを見てると、今までの嫉妬心がこみ上がってきて、無意識に涙が溢れる
ちょっとびっくりした顔で謝ってくる
私が何も言わなくても、気持ちを分かってくれてる
泣く私を、優しく抱きしめてくれる
しばらく抱きしめてくれて、
顔に手をあて、親指で涙をふき、チュッと今度は唇にキスを落とす
“えっ...?”
って困惑する私を見て、
“この続きは終わってからな、”
ってどこかいやらしくニコっと微笑むところ、
何も言わずに、サッと優しさを出してくるところ、
無意識に、そしてさりげなくキュンってさせてくるところ、
そういう所だよ
世の中の女性と、私を虜にさせるのは、
ホントに罪なヤツ、、、
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。