第5話

58
2020/01/20 03:30
次の日
坂本昌行
おはよう、剛
森田剛
・・・おはよう・・・
あれ?坂本君だけ?
坂本昌行
俺はいまから、出掛けるよ
剛は?
森田剛
おれも、今日は、午後からなんだ。
坂本昌行
なかなか揃わないよな。
6人一緒に住んでるのに
森田剛
そういうもんでしょ?
坂本昌行
まぁ、今日は、倒れるなよ?誰もいないんだから
森田剛
ははっ大丈夫。ありがとう。心配してくれて
行ってらっしゃい
坂本昌行
行ってくるわ。戸締まりよろしくな
坂本君が、出ていくと
シンと、静まり返っていた。
そっか、うるさいやつがいないもんな・・・・
そして、おれも出掛ける準備ができてまさにそとに出ようとしていた。
そして、外には
ルキア
・・・・・
呼び鈴を押せないルキアが立っていた。
そうとは知らない俺は、ガチャリとドアを開ける。
ルキア
あっ!
森田剛
・・・・ルキア・・・・
ルキア
いや、あの・・・忘れ物・・・・
忘れ物したの・・・・
森田剛
ふーん・・・・
ルキア
いまから、仕事?
森田剛
・・・まぁ、そうだけど
ルキア
じゃあ、鍵かけとくね。
ついでに鍵返しに来たし・・・・
森田剛
なぁ、ルキア・・・
ルキア
い、行かないと遅刻するよ?
ルキアは、そっぽをむいたままだ。
俺の方を向いていない。おれは、無理やりルキアを、こっちに向かせて
森田剛
俺の目を見て話せよ
ルキア
な、何するのよ
森田剛
人に話すときは、人の目を見て話せよ。
それだけだ。
行ってきます
ルキア
い・・・行ってらっしゃい・・・・
間違ってはいない・・・・

こうしていつの間にか少しずつ距離を縮めていた二人だった。
森田剛
ははっ!
へんなやつ
ルキア
・・・・(なに、ドキドキしてるんだろう。)
お互い気づいていないようだ。
ルキア
どこに落としたんだろう・・・
ルキアさんは、自分がいた部屋から、メンバーの部屋までくまなく探そうとしていた。
だけど、心当たりはなく・・・
ルキア
使えるかどうかわからないけど・・・・
ある力を確かめようとしていたときだった
三宅健
ルキアさん?
ルキア
!?
三宅健
来てたんだね。
どうしたの?
ルキア
わ、忘れ物・・・っていうか落し物したみたい・・・
三宅健
えっ?
ルキア
実はね、東城さんにもらったものなんだけど、返そうと思ってて・・・
三宅健
えっ?こないだのあの人?
ルキア
うん・・・
出会った記念に・・・
三宅健
いきなりプレゼント攻撃・・・
(しかもなんか言い方がキモい・・・・)
ありえねー
ルキア
かわいいピアス?っていうのかな・・・
わたしには、似合わないなって思って・・・
三宅健
えっ?勿体ない
自信ないってこと?
ルキア
だって、わたしなんか・・・
三宅健
なんかっていわないでよ
ルキア
・・・・・
三宅健
僕たちを、殺そうとしたこと気にしてる?
もう、忘れてよ。
僕たちは、忘れようとしてるよ?
ここでは、ルキアさんらしくいてくれればいいよ。
僕だって最初はイナンを好きになるなんて思ってなかったし・・・
ルキアさんの気持ちはなんとなくわかるから
そんなにすぐ人を好きになるなんてって・・・
ルキア
そうなんだね・・・・
三宅健
ぼくは、仕事終わったから捜すの手伝うよ!こういう力仕事は男に任せなきゃ!
で?たしかにここに置いたの?
ルキア
うん・・・たぶん・・・
三宅健
よし!捜そう!
ルキア
でも、結構散らかってるわね・・・・
三宅健
ごめん、俺たちそれぞれ忙しくてさ・・・・
ルキア
・・・待って・・・
ちょっとやってみる
三宅健
えっ?なにを?
ルキアさんは、てをかざし始めた。
えっ?ルキアさんの力?
も、ものが浮いてる・・・・
ルキア
つ、使えた・・・
三宅健
えっ?
ルキア
あった!
三宅健
本当?
良かった
そして、物はもとの位置に戻し、きれいに片付けました
ルキア
ありがとう、三宅さん。手伝ってくれて・・・
三宅健
どういたしまして。
でも、帰っちゃうの?
ルキア
東城さんにこれ、返さなきゃ
三宅健
1人で大丈夫?
ルキア
大丈夫。本当に、ありがとう
ルキアさんのいい笑顔を見た。
なんか、くすぐったい。
この笑顔見せてやりたいな~・・・・
あいつに・・・
そう思っていたら
森田剛
ただいまー
帰ってきた・・・
三宅健
おかえり、剛。早かったじゃん
森田剛
撮影だけだし・・・
ルキアは?
三宅健
落し物見つけたから、もう帰ったよ?
森田剛
忘れ物じゃねぇの?
三宅健
それがね、あの東城って人にもらったプレゼントらしいよ
森田剛
ふーん・・・物好きなやつ
三宅健
返すって言ってたよ
森田剛
えっ?なんで?
三宅健
自分には、似合わないものだからって
森田剛
だったら、そのばで返せばいいじゃん
三宅健
ねぇ、なんか嫌な予感する・・・
長野くん言ってた通り、あの人・・・
ルキアさんのこと狙ってる気がする・・
森田剛
狙うって・・・
三宅健
それよりさぁ、ぼく、さっきルキアさんの力初めて見たよ
森田剛
・・・・・・
なんだよ。使えるんじゃん。
三宅健
ねぇ、剛
心配だから見に行こうよ
森田剛
えっ?
三宅健
剛が、守らなくてどうするんだよ!
森田剛
わかったよ、いけばいいんだろ?
三宅健
意外と素直じゃん
ルキアさんと、似た者同士なのかも。
その頃ルキアさんは、東城さんに会っていた。
東城明
君から会いに来てくれるなんて光栄だ
ルキア
そ、そう言うわけじゃありませんけど・・・・
これ、返しに来ただけです。
わたしには、似合わないから。
東城明
へぇー、探し当てたんだ
三宅健
あー!いた
東城明
さすがだね
ルキア
あの・・・近いんですけど・・・
東城って人は、ルキアさんに必要以上に近づいている
三宅健
やっぱり、只者じゃない?
森田剛
・・・・イテ
三宅健
剛!大丈夫?
森田剛
バカっ・・・大きな声出すなよ
ルキア
えっ?剛・・・
三宅さん?
二人にばれちゃった
三宅健
心配になっちゃって・・・
ねっ?剛
森田剛
別に・・・
せっかくもらったんだからはめればいいじゃん、そのピアス
三宅健
げっ
ルキア
なによ😒
東城明
・・・・・😏
森田剛
それにさぁ、一度もらったものを返すなんて失礼だろ?
三宅健
剛、何言ってるの?
東城明
そうか・・・君は認めてくれるんだね?僕たちの交際を
森田剛
えっ?交際?
三宅健
😓
森田剛
へぇー、交際するんだ
ルキア
するわけないだろ!
東城明
いや、もう、成立した
なにか力が動いている
ルキア
えっ?なに、この力・・・・
三宅健
ルキアさん!!
東城明
フフフフ
三宅健
剛!あの人おかしいよ
ルキア
逃げろ!二人とも
三宅健
えっ?
ルキア
こいつは、カイトが送った刺客ってやつだ。
なぁ!そうなんだろ?
東城明
へぇ、よくおわかりで。
そうかもな。
おれは、お前なんかどうでもいいんだけどさ・・・
その発言をしたとたん、
「バチーーーン!」
彼を、思いっきり叩く音がした・・・・・
剛&健
・・・・・・・・
相手は、死亡・・・・
いや、気絶した・・・・


剛&健
つ、強い・・・
ルキア
((( ̄へ ̄井)
三宅健
け、けっきょー(結構)強い人なんだね・・・・・・ルキアさんって
森田剛
・・・・かもな・・・
ルキア
二人ともありがとう
三宅健
あはは、どういたしまして
森田剛
・・・・・
ルキア
見ての通り・・・私なんか誰も・・・
森田剛
バカっ
ルキア
なによ!バカとは・・
森田剛
言ってみただけ
ルキア
えっ?
森田剛
帰ろうぜ、腹へった
三宅健
ごめんね、ルキアさん。あれでも、照れ隠しだから。
ルキア
照れ隠し?
三宅健
・・“なんか”って言おうとしたルキアさんを慰めようとしているんだよ?
遠回しで分かりにくいけど、彼の優しさだから
ルキア
(わたしは、まだ、彼の気持ちがわからない・・・・)
三宅健
(二人は、いい感じになってきたんだけどなぁ~)
そんな3人の後ろで
東城明
諦めねぇぞ
彼がしぶとく生き返った(笑)


それから、数日後・・・
剛が、台詞の練習をしていた。
しかも、メンバー相手に・・・
森田剛
俺のそばにいろよ
井ノ原快彦
なぁんか、気持ちがこもってないんですけどぉ~
相手の女役を、いのっちが、やっていて・・・
森田剛
お、男相手に言えるかよ💢
長野博
確かにねー・・・
長野くんは、監督をしていた。
坂本昌行
じゃあさ、ルキアさん呼ぶ?
森田剛
えっ?
坂本昌行
その方が、本気で演技できそうじゃん、
ルキアさんのためでもあるし、お前のためでもあるからな
坂本君は、携帯電話を、取り出すとさらっと連絡している。
坂本昌行
もしもし?
井ノ原快彦
えっ?番号知ってるの?
森田剛
な、なんでだよ💢
長野博
な、なんかすでにジェラシーを感じる・・・
そして、ルキアさんが、来てくれて・・・
ルキア
あの・・・なんでしょうか・・・
森田剛
・・・・・
ルキア
忙しいので早くしてくれる?
坂本昌行
悪いけど、こいつ(剛)の役の相手役してやってくれない?
ルキア
・・・?
坂本昌行
俺たちも、忙しいから、女役なんて出来ないからさ
ルキア
どうしてわたしが?
長野博
ルキアさんしか頼める女の人いなくて・・・・
坂本昌行
剛、あとは二人でよろしくやれよ
森田剛
えっ?ふたりでって・・まさか
長野博
ごめん、いまから、番宣行くことになって・・・・
坂本昌行
俺も番宣
森田剛
居てくれなきゃ困る!
ルキア
そ、そうだよ
二人きりにするなよ!
坂本昌行
悪いけど、時間だから
長野博
じゃあね
ふたりは、いなくなってしまった

井ノ原君もいつのまにかいない・・・

逃げられた・・・・

ルキア
・・・・わたしは、どうすればいいの?
森田剛
・・・この台詞言ってくれればいいよ
仕方なくルキアに台本を、わたす。
森田剛
「俺のそばに、ずっといろよ」
ルキア
「・・ダメよ・・・あなたは、彼女と・・・」
森田剛
「・好きだ・・夏希・・
好きだ・・・」
ルキア
・・えーっと・・・
森田剛
はい、カット
ルキア
えっ?
森田剛
ただの演技に、なに赤くなってんの?
ルキア
な、なによ。仕方ないだろ?
演技なんて初めてだし・・・・
森田剛
でも、サンキュー
ルキア
・・・いい練習台になれてよかった?
森田剛
えっ?
ルキア
そういうことだろ?
いつも、そうなんだ
ルキア
レンも、そうだったから・・・・
森田剛
・・・ルキア?
ルキアな呟きが聞こえずにいて・・・
ルキア
や、やだなぁ~
思い出したら涙が・・・
森田剛
何で泣いて・・・
ルキア
いや、大丈夫・・・泣いてなんか・・・・・
だけど、ルキアはなぜか涙が止まらずにいるみたいで・・・
思わず俺は・・・
森田剛
泣くなよ!
ルキア
えっ?
ルキアを、抱き締めていた・・・・・
三宅健
うわぁ
そこへ、帰ってきた僕は見つからないように隠れた。
みんなに連絡もらっていたくれぐれも邪魔すんなよ?って言われたけど・・・
三宅健
(なぁんだ。ふたりは、いい感じじゃん)
ルキア
離せよ!
森田剛
・・・「俺のそばにいろ・・・・そうすればお前を泣かせたりしない・・・・」
剛は、そう言ってルキアさんを抱き締め続けた
三宅健
(えっ?あれも演技?)
ルキア
・・・・・・
森田剛
(な、なんか言えよ・・・は、はずかしい)
しーん
森田剛
ごめん!
いや、なんというか・・・ほら
俺らを憎んでたルキアと違ってその・・・・
ルキア
ふふっ。
なんだよそれ・・・
森田剛
あっ、やっと笑った
ルキア
へんなやつだなー
森田剛
なんだ。笑えるんじゃん。
その笑顔忘れるなよ?
剛は、ルキアさんの目をそらさずににこっとわらった。
これは、ファンにはなかなか見せない貴重な笑顔だ。
ルキア
・・・・・
その笑顔に、わたしは、ちょっとだけドキドキしていた・・・

だけど

ピリリリ、ピリリリ

沈黙を破られた着信音。
ふたりは、ビクッとして離れてしまった。
三宅健
あははは、ごめーん
森田剛
健・・・おまえいつからそこに?
三宅健
ずっといたけど?
ピリリリ、ピリリリ
森田剛
電話でろよ。
ってか音出すなよ
三宅健
あははは。ごめんごめん。もしもし~?
健が、いなくなり、ふたりは、逆にギクシャクする。
ルキア
す、好きでもないのに抱き締めるなよ
森田剛
おれは、心配で・・・
さっき、いい雰囲気だったのに・・・
森田剛
だから・・・
剛が、なにかを言おうとしたら、
ピリリリ、ピリリリ

今度は剛の携帯が鳴り出した
ルキア
・・・出ないの?
森田剛
・・・・・
着信の相手を見て戸惑う剛・・・・
着信音は、なり続ける
ルキア
どうしたのよ!
森田剛
・・・もしもし?・・・・サキ?
ルキア
・・・・!?
その名に聞き覚えがある。
三宅健
ごめん~
でさ~、さっきの続き・・・
ルキア
邪魔みたいだから行きましょう
ルキアさんに、手を掴まれる
三宅健
えっ?どうしたの?
サキ
ねぇ、剛?今、大丈夫?
森田剛
何?何か用?
剛は、ルキアさんと僕が一緒にいるのに気がついていて・・・
サキ
剛、いまから、会えないかな
森田剛
・・・・・
三宅健
ルキアさん?どうしたの?
ルキア
えっ?
三宅健
剛と、ケンカでもしたの?
ルキア
違うよ・・・
元カノから、電話掛かってたみたいだから、聞いちゃ悪いでしょ?
三宅健
えっ?元カノ?まさか
ルキア
サキっていうんでしょ?
三宅健
・・・・・
ルキア
どうせ、より戻そうとかじゃないの?
三宅健
うっそだぁ~彼女とは、終わってるはずだよ?
ルキア
別にいいよ・・・
慰めてくれなくても
三宅健
あのさ・・・さっきのことなんだけど・・・
ルキア
別に・・・あれ全部演技だから・・・
三宅健
そ、そうなんだ・・・
本当に、演技なのかな・・・・
その頃、まだ、電話中の剛。
森田剛
なんだよ、いまさら
サキ
剛に会いたいの。
剛に、あいにきたよ?
森田剛
えっ?
サキ
もう、めのまえに
いるから
一方・・・
三宅健
ルキアさん、帰るの?
ルキア
もう、役目終えたし・・・・
ピンポ~ン
三宅健
誰だろ?
あっ、誰か帰ってきたのかな
いまあけま~す
ガチャリ

三宅さんが、鍵を開けて現れたのは・・・
サキ
こんにちは
三宅健
えっ?サキさん?
ルキア
えっ?
森田剛
サキ!なんで、ここに・・・・
剛が顔を出した途端、彼女は、走りだし・・・・
サキ
剛!会いたかった!
三宅健
あっ・・・
ルキア
・・・・・・・
案の定、彼女・・・サキさんは、剛に抱きついていて・・・・
僕とルキアさんは、呆然と、見つめていた・・・


これはもしや、やばい展開?

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