第9話

きゅう
164
2021/04/23 11:29
red side


翔太「大丈夫、心配すんな。」


翔太は口元を触りながら俺の目を見ずに言った。


嘘をついてる時に口元を触る。


昔からの癖だ。


あの日翔太は涙を流しながら俺に相談してきた。


いつもは康二や目黒に相談するのに


その時は何故か俺だった。


翔太はもう恋なんてしたくないって言ったけど


俺はずっと新しい恋をして欲しいと思っていた。






翔太「舘、舘、聞いてる?」


「あ、ごめん、」


翔太「メイク、次舘だろ」


「おう」


「あ、翔太、なんかあったら俺に言って」


翔太「…え?おん、」


あなたさん。


目黒との会話から聞こえてきた名前。


会ったことはないけど


きっと素敵な人だろう。


ねぇ、あなたさん、


翔太を幸せにしてあげて欲しいな。


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