第5話

214
2021/04/18 03:40
「大丈夫ですか…?」


翔太「これくらい平気です。」


びしょびしょに濡れて彼が強がる姿を見て


あの日を思い出して


また彼の前で涙を流しそうになった。


翔太「めめ、やっぱ今日無理だわ、ごめん」


渡辺さんは隣にいるメンバーの方に軽く謝った。


蓮「俺の家近いし、濡れても全然大丈夫だから。」


「あの、私はここで…」


翔太「あっ、あの!名前、教えてください…っ」


そうだった。


私は彼のことを知っているけど


彼は私のことを何も知らない。


「あなたと申します。」


翔太「俺は渡辺翔太です。
   んで、こっちは一緒に仕事してる目黒蓮。」


私は知っているのに彼は知らない。


当たり前の事実に


胸が痛くなった。


蓮「あの、」


2人にお辞儀をして立ち去ろうとすると、


目黒さんに止められた。


蓮「あなたさんもすごく濡れちゃってるから
  よかったら家来てください。」


渡辺さんにも勧められ


3人で目黒さんの家へ向かった。



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