あなたside
またまたある日の事。
私の通う高校、成瀬高校は、ICT教育が進んでいる。
つまり、家に学校から1台、学校では学校でノートパソコン1台が完備されている。
家でも、学校同様の勉強ができる。
しかも、自分のスマホに入れるとお金がかかるアプリも、学校のパソコンなら全て入っている。
充実した環境で勉強させてもらっている。
しかし、これには不便な点も....
家のWiFiの消費料金が高くなる。
これがあって、怖くて使えなくなった。
しかし、前までは普通に使っていた。
そう言って、見せてきたのはWiFi消費量の紙だった。
え?
私はただ、、勉強のためなのに。
私は週に一回しか、自分のスマホは開かない。
他は全て勉強。
え?
家で、ハイクオリティな勉強をする
何がいけないの?
ちゃんと使わない時、電源落としてるし、WiFi切ってるし。
使うのも最低限の時間だし。
何がいけないの?
こうして母は部屋を出ていった。
嘘でしょ。
やば!
健兄。
とりあえずパーカーのフードを被って、
そう言って窓の方を指さした健兄につられて、視線を窓の方に向けたら、一気に視界が明るくなった。
確かに、花が綺麗なのは認める。
綺麗だもん
その時、もう無理なんだ
そう確信した。
もう、言い逃れできない。
今、この家にいるのは、母、健兄、祖母、そして私。
この4人しかいない中で、手を出してくるのは母しかいない。
健兄、いつまで優しいの?
健兄だって、思ってるでしょ。
強くなれ。
って。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!