第26話

にじゅうきゅう
1,587
2020/11/14 16:55
秀一side


「うらめしや~」
あなた
きゃっ!!
肝試し大会が始まってから数分。


あなたと手を繋ぎながら歩いていると、突然木の陰から現れた幽霊。


まぁ、幽霊といっても生徒の誰かなんだけど。



この声からして駒井だな。


こんな定番な脅かしかし方されたって全然怖くないんだけど。



それに俺、幽霊とか心霊現象とか全然信じてないんだよね。



まぁ、俺の隣にいる子は別だけど。
あなた
しゅ、秀くんっ!お、お化けが……!
大きな瞳に涙をいっぱい溜めて、俺の腕にしがみつくあなた。


本当に怖いんだろうな‥‥。
秀一
秀一
大丈夫だよ、俺がいるでしょ?
少しでも恐怖を取り除いてあげたくて、優しく頭を撫でた。
秀一
秀一
あとちょっとだから、頑張ろ?
あなた
………うん。……腕、゛ぎゅー゛ってしてていい?
秀一
秀一
もちろんいいよ
そんな上目遣いでお願いされたら断れないでしょ。



まぁ、あなたのお願いを断るって選択肢はないんだけどさ。
秀一
秀一
じゃあ、進もっか
あなた
うん…
懐中電灯の光を頼りに暗い林の中を進んで行く。




そしてそこから5分後、明かりに照らされたゴール地点が見えてきた。



うん、絵馬も置いてある。
秀一
秀一
あなた、着いたよ。あとは戻るだけだから
並んでいる絵馬を一つ取ってポケットへ入れると、まだ少し怖がっているあなたの頭をポンポンとして今度はスタート地点に戻るため、また歩き出した。





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